こだわりの良品ギャラリー CAMERA

カラーでは写らないものが写る
これは比喩ではない。事実だ

フィルムカメラが希少化した現在に、あえてモノクロフィルムで撮影する人たちがいる。彼らは言う。モノクロでしか写し取れないものがあるのだと。『ライカQ2モノクローム』は、そんなモノクロ写真愛好家の情念を体現した製品。このカメラ、なんとモノクロでしか写真を撮ることができない。撮影したカラー写真データを内部でモノクロ写真に加工しているのではない。搭載している専用センサー(撮像素子)が、そもそもモノクロ専用なのだ。

むろん、そこには技術的アドバンテージがある。色を再現するために撮像素子表面に配置されているカラーフィルターを排することで、解像力と感度を大きく高めることができるのだ(詳しくはP.128からのレビュー記事も参照)。モノクロフィルムも解像感に優れる(物理的に粒子サイズが小さい)とされているが、ロジックが異なるとは言え、同じ事がデジタルでも起きているのが面白い。ダイナミックレンジも圧倒的に広く、暗所できらめくような被写体も、その光と影のどちらかを犠牲にすることなく記録できる。

そしてライカレンズ。本機に搭載されている単焦点レンズ、ズミルックスf1.7/28㎜ ASPH.は、隅々まで驚くほどシャープな切れ味の鋭さが身上。解像感に優れるモノクロセンサーとの相性の良さは驚異的だ。撮った写真に「色」はないが、カラー写真でわずかに損なわれている「かたち」と「陰影」が、1つも欠けることなく写し取られている。

圧倒的なモノクロによって、カラーの価値が色あせる驚き、感動。写真を嗜むのであれば、ぜひ一度は味わってみてほしい。そう、「モノクローム」はノスタルジーではない。

  • Brand Name
  • ライカ
  • Item Name
  • ライカQ2モノクローム
  • Price
  • 価格:81万4000円

 

前人未踏のハイスピード

“作品作り”のためのカメラにおいて、今やプロフェッショナル~ハイアマチュアフォトグラファーの新基準となりつつある「ミラーレス一眼」&「フルサイズセンサー」という構成。この市場を切りひらいたのは紛れもなくソニーの『α7』で、現在はこれを老舗キヤノン、ニコンらが追うというまさかの構図に。

そんな好調「α」を象徴する存在の1つが、プロフェッショナル向け高性能モデル『α9 II』だ。「α9」シリーズは、それまでのミラーレス一眼カメラが苦手としていた動きモノに真正面から取り組んだカメラ。独自技術で積層構造としたCMOSセンサーに高速信号処理回路と内蔵メモリーを組み込むことで、電子シャッターでの超高速連写時に避けられなかったローリングシャッター歪み(動体歪み)を解消。これによってAF/AE追随で秒間20コマという超高速連写や、一眼レフでは構造上不可能だった無音・無振動駆動、ブラックアウトフリー撮影などといった、電子シャッターならではの美点だけを享受できるようにした。もちろんAFも高速・高精度で、リアルタイムトラッキング使用時には粘り着くように被写体を捉え続けてくれる。

一般ユーザーにとってもプロスペックは極めて有効。例えば子どもの運動会や学芸会など、二度とはない一瞬を確実に撮影することができる(会場で悪目立ちしない無音シャッターもありがたい)。これを機に、野鳥などの撮影にチャレンジしてみるのも楽しいだろう。子供が緊張で息を呑む瞬間、成功して笑顔がこぼれ出す瞬間、野鳥が飛び立つ瞬間、素人、アマチュアにだって撮りたい“瞬間”は山ほどある。何にせよこのカメラ、プロだけに使わせておくにはもったいない。

  • Brand Name
  • ソニー
  • Item Name
  • α9 II
  • Price
  • 実勢価格:59万9500円(ボディのみ)

 

目と指で撮る悦楽を感じる
ネオ・クラシック

カメラは目と指で操作するツール。富士フイルム「X」シリーズは登場以来、そこにこだわり続けてきた。『FUJIFILM X-Pro3』はその最高峰。撮る悦楽をかたちにするとこういうカメラになる。

まずファインダーが唯一無二。なんとこの製品、ミラーレスカメラでありながら光学ファインダー(OVF)も搭載。「ハイブリッドビューファインダー」という独自の構造を採用することで、電子ビューファインダー(EVF)と、OVFにEVFを小窓でオーバーレイする電子式レンジファインダーモードを切り換えて使用できるようにした。センサー越しに見たままを視差なく撮れるEVFは便利だが、被写体をダイレクトに見て撮れるOVFにも、その細部や明るさをしっかり確認しながら撮れる良さがある。チルト式の背面液晶モニタが、通常時は「閉じた」状態となっているのも、まずこのファインダーで撮って欲しいという富士フイルムのメッセージなのだろう。

シャッタースピード、絞り、感度、露出補正などの撮影設定にはそれぞれ専用のダイヤルを用意(絞りはレンズ側に依拠)。画面で確認することなく、指先からカメラの全てをコントロールできる。チタン製トップカバー・ベースプレートに高品位塗装とコーティングを施した特別モデル「DRブラック」は手触りという点でも指先がよろこぶ。

富士フイルムならではの知見・ノウハウを詰め込んだフィルムシミュレーションモードも進化。強化されたモノクロマチック表現、グレインエフェクトなどによって、フィルム時代の絵作りを楽しめる。

アナログ感に最新のデジタル技術を融合させた本機。その不便さも含めて楽しめる、余裕のある大人にこそ使ってほしい。

  • Brand Name
  • 富士フイルム
  • Item Name
  • FUJIFILM X-Pro3 DRブラック
  • Price
  • 実勢価格:26万780円(ボディのみ)

 

頂点のスナップシューター

最高の画質を最小のサイズで、35㎜フルサイズセンサー、開放F2の大口径レンズを搭載しながら、幅113.3㎜、重量約507gという小型・軽量ボディはただただ驚異的。冬コートならポケットにもすっぽり入ってしまう。

コンパクトデジカメながら40万円台という価格設定も同じく驚異的ではあるのだが、有効4240万画素フルサイズセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラと大口径単焦点レンズを合わせて購入したと考えれば納得できる。2016年初頭発売とやや古い製品ではあるものの、そのスペックは今も全く色あせていない。レンズとのマッチングを極限まで追い込める一体型ゆえに画質面でも充分に現行の最新フルサイズセンサー搭載ミラーレス一眼に伍する。昨今、スマホカメラの高画質化からコンパクトデジカメ、特に単焦点モデルが壊滅的な打撃を受けているが、本機はそうした市場動向の外にいるのだ。

これほどの小型サイズでありながら、電子ビューファインダー(EVF)も搭載。苦戦するコンパクトデジカメ市場でほぼ一人勝ち状態となっている同社「サイバーショット DSC-RX100」シリーズで好評のポップアップタイプのEVFが内蔵されている。もちろん構造は本機のために1から再設計されており、高コストなガラスレンズをふんだんに使った光学系による見やすさは、文字通り一見の価値アリ。ファインダーで撮ることにこだわっている人でも必ずや満足できるだろう。

スマホへの画像転送もWi-Fi/NFC対応でスムーズ。サッと撮影したスナップを手軽にSNSなどに投稿できる。ちょっとした日常の1枚も妥協せずに作り込みたい。そんな人のための相棒に仕上がっている。

※写真の外付けサムグリップ『TGA-1』、レンズフード『LHP-1』、ジャケットケース『LCJ-RXH』は別売です。
  • Brand Name
  • ソニー
  • Item Name
  • DSC-RX1R II
  • Price
  • 実勢価格:42万7768円