“RR&ターボ&スポーティな足回り”で悪いはずがない!ルノー『トゥインゴ GT』の走りが最高に楽しい!

フロントにエンジンと駆動輪をまとめるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)がコンパクトカーのレイアウトとしては最もスペース効率が優れるとされている昨今、リアのラゲッジスペース下にエンジンを搭載し、後輪を駆動するRR(リアエンジン・リアドライブ)というユニークな形式を採用したことで話題を呼んだルノーの『トゥインゴ』。発売当初にも試乗したが、後ろから押し出されるような加速感と、リアにユニットを集中させたことで切れ角が増したフロントタイヤによって、小回りが効くハンドリングに感心させられた覚えがある。

このとき考えたのは「これにもう少しだけパワフルなエンジンを積んで、足回りをスポーティにしたら面白そう」ということ。そんな希望を叶えてくれるモデルがラインナップに加えられた。それが今回取り上げる『TWINGO GT(トゥインゴ GT)』だ。

F1で有名なルノー・スポールが手掛けたモデル

『トゥインゴGT』は、ノーマルの『トゥインゴ』をベースに、ルノーのモータースポーツ部門でありF1参戦でも有名なルノー・スポールがチューニングしたモデルとなる。2017年9月に200台の限定車として発売されたが、瞬く間に完売してしまったため、正式にラインナップに加えられたというわけだ。早速細部をみていこう。

0.9Lの3気筒ターボエンジンは、ベース車の出力90PSに対し、109PSまでパワーアップされている。
パワーアップに大きく貢献しているのが、ボディサイドに追加されたエアインテーク。これによってエンジンに送り込む空気量を23%増加できているとのこと。
エキゾーストも2本出しに。迫力ある音を響かせてくれる。
足回りも専用の17インチホイールに。サスペンションやアンチロールバーが強化されるなど抜かりはない。
限定車では5速MTのみだったが、デュアルクラッチの6速AT(ルノーではEDCと呼ぶ)も用意される。
MT車のシフトノブは金属製で適度な重さがあり、その重さを利用して気持ちよくシフトが入る。
内装も『トゥインゴ GT』独自デザインを採用。オレンジとホワイトのアクセントラインが目を惹く。
『トゥインゴ』ではカーナビを搭載するスペースがなく、スマホをナビ代わりに使う設計だったが、『トゥインゴ GT』では2DINナビが装着できるように。ハンドル周りは『トゥインゴ』を踏襲しており、タコメーターが装備されていないのが少々残念だ。

 

パワーアップしたRRの走りが楽しい!

さて、実際に試乗したインプレッションだが、エンジンを掛けた段階で違いに気付く。デュアル化されたマフラーから排出される迫力のエキゾーストノートが“やる気”にさせてくれる。

もともと軽量ではあるが車重1010kg(MT車。EDC車は1040kg)の車体は、出力が約2割向上したおかげもあってか、キビキビとした走りが味わえる。『トゥインゴ』に乗った際に感じた「もう少しだけパワーがあれば、もっと楽しくなりそう」という感想に、ちょうど良くパワーが上乗せされている印象だ。

ルノー・スポールによって引き締められた足回りもいい感じ。軽自動車よりも小さい4.3mという最小回転半径を誇る『トゥインゴ』だが、その小回りが効く走りをさらに楽しくしてくれている。街中の何気ない交差点を曲がることでさえ面白く感じられて、思わず遠回りをしてしまうほどだ。

5速MTとEDC(6速AT)とで乗り比べもしてみた。はじめに乗ったのは5速MT車。パワーアップされたエンジンと軽量な車体は、予想通りMTとの相性がいい。思い通りに加速し、曲がってくれるので最近の乗用車では感じにくくなっていた“操る悦び”を満喫することができる。「やっぱりマニュアルだな」と思いながらEDC車に乗り換えたところ、これはこれで予想外に楽しかった。ヨーロッパの高級車やスポーティカーがこぞって採用するデュアルクラッチを搭載しているので、変速がダイレクト。エンジンの一番気持ちいいところを使うシフトパターンになっていて、変速段数もマニュアルより1段増えているのが効いているようだ。これなら、家庭の事情などでAT車しか選べなかったとしても、十分にこの車の魅力を味わうことができるだろう。

試乗前から“楽しいに違いない”と予想していた『トゥインゴ GT』の走りだったが、その面白さは予想以上。やはり、2車線ある道路であれば切り返すことなくUターンできてしまうような車体に、スポーティなエンジンと足回りの相性はやはりバツグンだった。こんな車があったら、日々の通勤や何気ない移動もウキウキした気分になりそうだ。ただ、毎日ちょっとずつ遠回りしてしまって、通勤時間の短縮にはならなそうだが……。

気になる価格は5速MT仕様車が229万円〜で、EDC仕様車が239万円〜。ルノーのモータースポーツの遺伝子を、この価格で入手できるのはかなり魅力的なのではないだろうか。

関連サイト

TWINGO GT(Renault Japon)