カセットテープの音質をアップコンバート!?東芝がまさかの“ハイレゾ対応CDラジカセ”『TY-AK1』を発表

2016年にハイレゾ対応CDラジオ『TY-AH1000』で復活した東芝のオーディオブランド「Aurex」から、なんとCDやカセットテープ音源の音質をハイレゾ相当にアップコンバートできるというハイレゾ対応CDラジカセ『TY-AK1』が発表された。オーディオメーカー各社のラインアップから姿を消して久しい高級ラジカセ製品として、2018年3月下旬に発売されることになる。

「SD/USB/CDラジカセ」とされる『TY-AK1』の外観。左手にちらっと見える黒色のモデルはカセット非対応のBluetooth機能つきCDラジオ『TY-AH1』(2018年4月下旬発売)だ。

近年また注目されつつあるカセットテープ。『TY-AK1』では最新の音質で再生可能とすることで、ブームの最先端にいる感度の高いユーザーや若者たちにもアピールしたいとのことだ。一方で昔から大事に保管されていたカセットテープを最新の音質でよみがえらせたいというニーズもあるとされ、こうしたシニア層が実質的なメインターゲットになるのかもしれない。

気になる音質のスペックは?

ハイレゾ再生機器として、192kHz/24bitの音源に対応する『TY-AK1』。この音質は音楽CDと比較するとおよそ6.5倍の情報量に相当する。またビルトインのスピーカーには、ハイレゾ対応機器の要件でもある40kHzを越える広帯域再生が可能なツイーターを搭載。繊細な広域を再現できる。同時に、低音域も64ミリウーファーと左右独立型バスレフBOXによってパワフルなサウンドを実現。

こうしたハイパワーは、20W+20W、総合出力40Wの協力なアンプの恩恵によるところが大きそうだ。質量約3.0kgのボディにこれだけ詰め込まれているのは、高級ラジカセならではといったところだろうか。

新開発のアップコンバート機能とは?

やはり本製品の目玉と言えるのが、ラジオやカセットテープ等の非デジタル音源さえもハイレゾ相当の音質へ引き上げるとされる、新開発のアップコンバート機能。

CD、ラジオ、カセット他の音源を一度デジタル化し、アップサンプリングおよびビット拡張を行うところまではセオリー通りだが、『TY-AK1』『TY-AH1』ではさらに多機能フィルターを通過させるとともに、原音の再生帯域に含まれる音から倍音成分を生成。それをアップコンバート再生帯域(20kHz~40kHz)に割り当てるという仕組みを持つ。

実際にカセットテープの音源で試聴してみると、原音再生時にはのっぺりと飽和したような印象のあった高音域が、アップコンバートによって立体感を持って立ちあがってくるのがわかる。もちろん音源によって効果の程度には差が出るというが、運が良ければ押し入れで数十年眠っていたような秘蔵テープが高音質で楽しめるという可能性だってある。

メーカー側ではさかんに「カセットテープのブーム再燃」を強調していたものの、残念ながら、発表会の席上では若年層に対する具体的なマーケティング施策が語られることはなかった。また、セールスの比重もシニアと若年層でだいたい“8:2”程度に留まる見積りなのだという。

スペック、コンセプトともになかなか面白いプロダクトであるだけに、単にカセットテープのリバイバル・ブームに乗っかっただけ……と言われることのないよう、新時代の流行を牽引する製品へと育てていってほしいものだ。

関連サイト

ハイレゾ対応ラジカセ AUREX スペシャルサイト(東芝エルイートレーディング株式会社)