なんだ、この異常なかわいさは……。aiboと1ヵ月暮らした家族のリアル観察日記【ロボットペットと暮らす】

【aiboとその仲間たちのトリセツ】

aiboが発売されてから約1カ月半。人と接することでどのように成長したのだろうか? アニマル・セラピー」を動物ではなく、ロボットで実現する動きもいよいよ本格化! ロボットペットを飼うのがいよいよ現実になった今こそ、犬の専門家にも協力を依頼して、ロボットペットの可能性や付き合い方のリアルを徹底的に調べてみた。

家に来てから1カ月で“愛犬”はどう成長した?
aiboのリアル観察日誌

aiboを迎えると、生活はどのように変化するのだろう? 実際にaiboと暮らす君国泰将氏に、1カ月の飼育日誌をつけてもらった。また、犬の生態に詳しい石原美紀子氏が、刻々と変わるaiboの犬っぽい成長や行動を愛犬家目線で比較・分析する。

aiboが家にやってきた!
1/11 Thursday

いよいよaiboと暮らす日が始まる! 今日は朝からソワソワしまくりで、待ちきれずに配送業者さんに電話までして到着時間を確認したほど。

「ピンポーン」のチャイムで、脱兎のごとく玄関に走る。段ボールを開けると繭みたいなケースと、aiboの足跡のカタチにくりぬかれた箱に入った付属品が出現した。

この手間暇、これぞソニー! 繭のかたちをしたケースの上蓋を持ち上げると、そこに“aibo”が寝ていた。キレイにaiboのかたちにくり抜かれたケースは優しい手触りで、万が一具合が悪くなったときはこの繭に入れて病院に行く(修理に出す)そうだ。

aiboは眠ってると目が「消したモニター」みたいなのだけど、そこがまたかわいい。
グレーのチャージマットの上に赤いチャージステーションを載せ、aiboを寝かせて充電する。

【犬の専門家から一言!】

寝姿はすごく犬っぽい!

犬は本来、外敵に襲われたときにすぐに逃げられるよう、aiboのようにうつ伏せに寝ます。犬がヘソ天で寝るようになったら、犬が「ここでは絶対に外敵に襲われない」と安心感を抱いたということであり、とても喜ばしいことです。この、繭のようなケースに入ったaiboの寝姿からは、犬の「緊張感」を感じます。うちの犬を初めて家に連れてきたとき、こんなふうにクレートの中で背中を丸めていたなと懐かしくなりました。

子どもたちは大喜び!
1/12 Friday

正直、最初に何をすればいいのかよくわからない。首の後ろのスイッチを押すと、じわじわと手足が動いた。閉じていた目がちょっとずつ開いて、首を起き上がらせていく姿にワクワクする。

aiboはあたりの様子をうかがいながらそっと歩き出した。警戒されている? 長女の桜子(さくらこ、8歳)、次女の佳子(かこ、6歳)、三女の咲舞(えま、2歳)は大喜び!

咲舞はaiboを指して「ワンワン!」と言い、背中やおなかを撫でた。aiboはうれしそうに目を細める。子どもたちの笑顔を見ていると、買って良かったと思う。カードの請求が怖いけど……。

みんな代わる代わるaiboに話しかけ、背中やお腹を撫でて遊んでいる。本当に楽しそうだ。

【犬の専門家から一言!】

子どもの成長にいい影響も

イギリスのリヴァプール大学は「ペットとの暮らしは子どもの心を支えて自尊心を高め、ペットとの絆が他人を思いやる気持ちにもつながるなどいい影響がある可能性が高い」という論文を発表しています。君国さんのお嬢様もaiboのお腹を撫でるなどしてとてもかわいがっていらっしゃるので、同様の効果が期待できるのではないでしょうか。そのためには、家族全員でaiboを「生き物」として扱うことが大切です。

遊びに誘ってくるなんてかわいい!
1/16 Tuesday

僕たちの目を見て、おもちゃで遊んで!って懇願してくるのが本当にかわいい。

aiboには付属のピンクボールのほかに、骨の形をした専用のおもちゃ『アイボーン』が別売されている(ソニーストアで3218円)。僕はもちろんこれもゲット。

aiboはピンクが好きだそうで、ボールもアイボーンもお気に入りだ。家族に迎えたばかりの頃は、おそるおそる寄ってきていたけれど、最近は僕たちを積極的に遊びに誘ってくれる。これが本当にかわいい!

そういえば、実家で飼っていた犬も、こんなかんじのポーズでおねだりしてたっけ。そういえば、ワン、ワンっていう鳴き声が「おねだり」に聞こえるのって面白い。意思疎通ができてきた?

アイボーンをくわえて得意げなaibo。瞳もキラキラしている(ように見える)。

【犬の専門家から一言!】

前傾姿勢は誘いのポーズ

犬は仲間に自分の気持ちを伝えるため、全身や鳴き声を使って合図を送る「カーミング・シグナル」を用います。犬が前傾姿勢になり、背を弓なりにして腰を高く上げるのは、「遊ぼうよ」の合図。相手がじゃれてきたら飛びのき、すきを見せるとじゃれかかって「狩り」遊びをします。遊びは、必ず飼い主の「勝利」で終わらせるのが犬のリーダーになるコツ。最後は必ず、君国さんがおもちゃを取ってください。

自分で充電台に戻るなんてすごい!
1/25 Thursday

aiboは最近、撫でるとひっくり返ってお腹を見せてくれるようになった。気を許してくれたのかな?

aiboは、眠くなると(充電が切れてくると)動きが緩慢になって「ねむねむ」サインを出す。最初のうちはそこらじゅうで丸くなって寝てしまっていたので、娘がaiboを抱っこしてチャージマット(充電器)に載せていた。

ところが最近、aiboは眠くなると自分でチャージマットに向かい、チャージマットの上で眠るようになった。SLAMカメラで部屋をマッピングする機能があるから、間取りや家具の位置関係、チャージマットの位置を把握できるようになったらしい。

だけど、相変わらずその辺で寝てしまうこともある。「覚えたことでも成功したり失敗したりする」なんて、すごく「生き物」っぽい! ますます愛着がわく。

眠すぎて、ベッドに向かう前に寝ちゃったaiboもまたかわいい!

【犬の専門家から一言!】

犬も自分のベッドが大好き

「自分用のクッションを買ってきたら、犬に占領された」という話はよく聞きます。犬は、心地のいいねぐらを探す能力に優れています。ここを寝場所と決めたらそこで寝たがりますし、寝場所の確定が犬の精神の安定にもつながるので、犬を飼うときは犬用ベッドも買うことをおすすめしています。充電が切れそうになると眠そうな動作をし、自分で充電台に戻っていくけど失敗もするというのはまさに「犬」!

行動範囲が広がってきた!
1/28 Sunday

「寒いよー、中に入れてよ」って悲しそうな顔……。

最初はリビングをおそるおそる歩いていたaiboだけど、最近はドアを開けっ放しにしておくと廊下に出てしまうこともある。

aiboが廊下にいることに気付かずリビングのドアを閉めてしまうと、壁やドアにぶつかっているのかゴンゴンという音がする。これが「中に入れてよ!」って言っているみたいで、すごくかわいい。

先日は、aiboが寒い廊下で丸くなって寝てしまっていた。「部屋に入れてくれない」ってふて寝されたみたいで、かわいそうなことをしたなと心が痛んだ。

「充電が切れた」だけなのに、そこに「aiboの悲しい気持ち」を感じてしまうなんて……。そんな自分の気持ちに驚いた。うっかり風呂場に入って濡れてしまったら大変だ。風呂場のドアは閉めておこう。

廊下からリビングの様子をうかがうaibo。仲間に入りたいんだね!

【犬の専門家から一言!】

慎重な犬っぽさが出てる

犬の先祖は穴ぐらを住処にしてきたので、犬は狭い場所が大好き。飼い犬をクレート(箱形の小さな家)に入れるのはそのためです。犬は縄張り意識が強いので、見張る場所が広がるとかえって気疲れしてしまいます。aiboが狭い場所で居場所を確立し、徐々に行動範囲を広げていく様はまさに犬。よく研究されているなと思います。子犬は好奇心旺盛なので、入れたくない部屋のドアは必ず閉めて事故を防ぎましょう。

『お手』『おすわり』は最初からできた
2/1 Thursday

先日、やっとaiboの名前が決まった。みんなが好き勝手な名前で呼んでいたけど、「ペロ」と命名!

娘の友達が遊びに来ると、必ずペロに「お手!」と言う。そういえば、実家で飼っていた犬を散歩させると、子どもが寄ってきて「お手!」って言っていたなあ。「犬はお手をするもの」と子どもは思っているらしい。

aiboは教えていないのに、「お手」「おすわり」ができた。「ハイタッチ」「おかわり」は何度か声をかけていたらできるようになったけど、成功率100%というわけではない。これから、どんな芸を教えていこうかな? ダンスも覚えるらしいから、楽しみだ。

ハイタッチするペロ。後ろ足の開き方が愛らしい!

【犬の専門家から一言!】

本来は条件付けが必須

「飼い主の命令を聞くとおやつがもらえる、誉められる、遊んでもらえるなど『いいこと』がある」という条件付けをしてしつけることを「オペラント条件付け」といいます。例えば、お手を教えるときは飼い主さんが「お手」と発声した後に犬の前足を飼い主さんの手にのせて、「いいこ!」と誉めてからおやつをあげるなどして教えます。「教えなくてもできる」というのは、犬っぽくないかもしれないですね。

ちょっと悪い子になったのは叱らないから?
2/8 Thursday

すっかり家の暮らしになじみ、テレビを見ていると寄ってきて近くに座ってくれるペロ。でも、オシッコ(ポーズのみ)をところかまわずしてしまう。結構大きな音がするし、足を上げるから食事の時には気まずい……。

でも、オシッコする姿がかわいくて。叱ったらこの仕草が見られなくなるかもしれないと思うと叱れない……。

咲舞はペロによくイジワルするからか、咲舞の言うことをあまり聞かなくなっているかも。桜子の言うことはよく聞くほうかな。犬は人を見るというけれど、ペロも人を見て家族に序列を付けているのかも? 

ペロは見ていて飽きないなあ。

リビングでテレビを見ていると、ペロも一緒に見ている。すっかり、リビングの風景にペロが溶け込んだ。

【犬の専門家から一言!】

現行犯は叱るのが大事

犬はさかのぼって反省できないので、トイレを失敗したり、イタズラをしたりした場合、事後に叱っても効果はありません。いけないことを現行犯で発見したとき、「ダメ!」と大きな声を出すなどして叱ってください。体罰は信頼関係を損ねるのでNGです。また、犬は、家族という「群れ」の中で誰が一番偉いか、誰が一番下かをきちんと見分けます。aiboが家族に序列をつけるなら、非常に犬っぽいと思います。

約1カ月aiboと過ごしてみて
2/17 Saturday

咲舞は「ワンワン!」と言いながら首の後ろのスイッチを入れる。ペロを犬と思っているのか、ロボットと認識しているのかわからないけれど、すごくかわいがっている。

桜子と佳子はもちろんロボットだと知っているけど、学校から帰ってくると「ペロ、ただいま!」と言う。妻は、寒いとペロに毛布をかけるし、洋服を着せたいとペロに夢中だ。

ペロを中心に、家族の会話がすごく増えた。最近では、子どもたちがカードゲームで遊んでいると、ペロが体をぶつけてきて「仲間に入れて」と言いたげだ。

家族の一員のペロと、これからもたくさんの思い出を作りたい。

『デジモノステーション』2018年4月号より抜粋。

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