『MacBook Air』は『機動戦士ガンダムF91』時代のジェガン!?m-flo ☆Takuが、アップルに足りないものを「ガンダム」で例えてみた

m-flo ☆Takuのare you Apple holic ?

音楽界きってのガジェットマニアと称される☆Taku Takahashiが、アップルの話題をディープに語る連載。昨今のモヤッとしたアップルへの物足りなさを「ガンダム」で置き換えてみると、いろいろ見えてくるものが……?

アップルに足りないものを「ガンダム」で考えてみた

──実はアップル製品をガンダムに例える話は、ほとんど記事に反映されていなかっただけで、ずっとしてはいたんですよね(笑)。

連載の制作チーム全員がガンダム世代ですから。自然とそうなりますよね。

──では、まずは今月の気になるニュースから。まだ噂の域を出ないのですが、『MacBook Air(☆1)』の新モデルが出るようですね。ただ、デザインやスペックはほぼそのままで、単に10万円以下の低価格モデルを残しておきたいという控え目なアップデートになるのだとか。

円安が進んでいるなか、10万円を切る選択肢はあってほしい。ただ、これまでのものをほぼそのまま出すというのはダメ。それって、『機動戦士ガンダムF91』時代のジェガンみたいなもの。『逆襲のシャア』時代には最新鋭機でしたが、さすがに古くなりすぎました。

☆1 MacBook Air

細かい仕様は強化されているものの、2011年以降、大きく変わっていない『MacBook Air』。税別9万8800円という価格設定は魅力的だが、3世代前のCPUや、非Retinaディスプレイなどは、さすがに古く、全面刷新を求める人が増えている。

──では、最低限、どういった機能強化が必要だと思いますか?

10万円を切る価格は維持しつつ、USB-C(☆2)を2つ載せてほしい。今のMacBookの流れをきちんと踏襲したものにするべきです。ここはザクマシンガンを忘れてビーム兵器をデフォルトにしてほしいです。

☆2 USB-C

『MacBook Pro』など、他のノート製品はUSB-Cに全面移行済み。いまだ批判も多いが、最近はWindows機にも搭載されるようになっており、対応周辺機器も増えている。そして、周辺環境さえ整えば、その使い勝手は極めて良好だ。

──でも、そのあたりはヘビーユーザー、特にクリエイター層らの反発が強いところです。ガンダムでは最新鋭のゲルググが、ザクに慣れ親しんだ古参兵から敬遠されていましたが、そういうことになってしまうのでは?

アップル製品はいまだに「クリエイターが使っている」というイメージが強いですが、実は制作の現場では今やコスパに優れたWindowsマシンが主流だったりしますしね。ですから、Macはもっと普通の人にリーチするようなイメージ付けをすべき。

──なるほど。

これは、iPhoneについても言えること。『iPhone X』(☆3)は、圧倒的なパフォーマンスや、プロカメラマンも認めるカメラ性能、全画面有機ELディスプレイなど、まさに“ガンダム”品質なわけですが、今、市場に求められているのは量産機。そんな時代のなか、12万円台〜という価格設定はやっぱり現実的ではありませんでした。高コストのコアブロックシステムを廃止してでも、6万円台で買えるジムを出すべきだったんです。一年戦争の終盤に連邦軍が形成を逆転できたのはジムを大量生産できたから。マーケットのなかの争いも一緒だと思うんですよね。どんなに高性能でも、フルアーマーガンダム、もしくはガンダムアレックスを少数生産するのは違う。

☆3 iPhone X

下位モデルでも12万円台という強気な価格設定が話題となったスーパープレミアムモデル。価格のせいか、残念ながら、これまでのような販売成績は達成できていない。次世代モデルではさらなる大画面化によってますます高価になる可能性も?

──でも、それだとだいぶ機能を諦めないといけませんよね。どの辺が許容範囲だと考えていますか?

極論を言えば、サクサク動く軽快ささえ残っていれば良いと思います。それこそがiPhoneの要ですから。また、Androidのように3万円以下にしろとも言いません。

──ジムは量産機でしたけど、ビーム兵器を搭載するなど、単なる安物ではなかったですもんね。

ただ、もちろんフラッグシップの開発は重要です。ガンダムがなければジムも生まれませんでしたから。ですから『iMac Pro(☆4)』みたいなのもあっていい。ここで培ったノウハウを上手に量産機に落としていくことが大事なんです。

☆4 iMac Pro

最大18コアの超高速プロセッサーを搭載したプロ向けの「黒いiMac」。価格はなんと56万円〜。なお、アップルはセパレート型の新型『iMac Pro』も計画中。ただし投入は2019年になる見込みのため、当面はこちらが最上位モデルとなる。

──量産機が鍵だということですか?

ドズル・ザビが「ビグザム量産の暁には……」と言いながらも、御前会議ではなんだかんだ「戦いは数だよ、兄貴」って言ってたじゃないですか? やっぱりビグザムって量産するのって難しいと思うんですよね。なので、フラッグシップ機と量産機の関係性をきちんと考え直すことが、今のアップルがマーケットという“一年戦争”で生き残るために必要なことだと考えています。まずは近日発表と噂の新型『MacBook Air』が、どうなるのか早く知りたいです。

☆Taku Takahashi(m-flo,block.fm)/音楽家、DJ。1998年にVERBALとm-floを結成。m-floデビュー20周年となる2018年は、オリジナルメンバーのLISAが復帰となり、「the tripod e.p.2」を3月7日にリリースした。個人では加藤ミリヤ、MINMIなどのプロデュースを務め、テレビドラマ『信長協奏曲』『人は見た目が100パーセント』などの劇伴を担当するなど、その活動は多岐に渡っている。自身が運営するダンスミュージック専門インターネットラジオ「block.fm」は開局から6年目の今も、音楽の新たなムーブメントを発信し続けている。

『デジモノステーション』2018年5月号より抜粋。