仕事じゃなくても使いたくなる、BAGWORKSの“しごとのかばん”|今日のレコメンド

兵庫県・豊岡市に工場を構える、1954年創業のカバンメーカー「バッグワークス」。もともとは、さまざまなメーカーからの依頼を受けて各職業に特化した業務用カバンを製造していたが、「自分たちが企画から製造まで一貫して携わるモノ作りをしたい!」という思いから、自社ブランド「BAGWORKS」を立ち上げた。そのコンセプトは“しごとのかばん”。昔の牛乳配達員や車掌などが実際に使っていたカバンをモチーフに、現代の生活にも合うようにリデザインされたプロダクトは、僕たちのノスタルジーを刺激しつつも、新しさを感じさせてくれる。

業務用カバンから、日常使いのカバンに

「お客様からオーダーを受けてカバンを作る中で、自分たちのカバンも開発したいという思いが芽生えてきたんです。これまで業務用カバンを作ってきた歴史や技術をベースに、自社ブランド『BAGWORKS』を立ち上げることにしました」

そう話すのは、バッグワークスの代表取締役・高島茂広さん。大学卒業とともに祖父の代から続くバッグワークスに就職し、今では3代目として同社を取りまとめるこの道42年のベテランカバン職人だ。

60年以上の歴史の中で、各ジャンルのプロが愛用する専門的なカバンを作ってきたバッグワークス。例えば、写真上の『エンジニアバッグ』(非売品)は、工具や筆記用具、メジャーなどの道具を豊富なポケットに整理して収納したいという技術者の要望を受けて作られたもの。顧客と数回にわたるディスカッションを重ねて要望を聞くとともに、プロの知見から素材や内装のデザインを考えて完成した製品だ。このように、自社の技術力を活かし、自分たちの強みを最大限に引き出せるブランドを考えて生まれたのが、“しごとのかばん”をコンセプトにした「BAGWORKS」だったという。

牛乳配達員のカバンを、「BAGWORKS」が解釈した『MILKMAN』

「ファッショナブルな作りにし過ぎると、バッグワークスらしさが無くなってしまう。昔のカバンの実用的な部分を残しつつ、現代の生活にも合う“使い勝手”を考えたデザインにしています」

2012年に「BAGWORKS」をスタートさせた時に、最初のアイテムのひとつに選んだのが、牛乳配達員が使っていたカバンをモチーフにした『MILKMAN(ミルクマン)』だ。

ガラス製の牛乳瓶は配達中に割れやすいため、当時のカバン素材は水洗いできるターポリンが使われていた。そういった当時の背景も踏まえて、『MILKMAN』にも現代版の質の高いターポリンを採用。また当時のカバンではコーナー部分をレザーで補強しているが、本製品では水洗いによる劣化を防ぐために船舶にも使用される難燃PVC素材で耐久性を向上させている。これなら普段の生活はもちろん、汚れや水に強いからアウトドアシーンでもガシガシ使えそうだ。

カバンの内側には“集金用のポケット”も装備し、小物を分けて入れられるようにしたという。こうした細かい配慮も、60年以上カバンを作り続けてきたバッグワークスならでは。サイズはW33×H20×D20cmとなっており、これは“牛乳瓶を15本入れられる大きさ”なのだとか。

少年たちが憧れた、車掌のバッグ

「“しごとのかばん”として見た目が分かりやすい車掌のカバンは、企画のはじめの段階から候補に挙がっていたのですが、口金を作っていたメーカーが廃業していて、製作してくれるメーカーを8ヵ月くらい探してようやく見つけました。これは当時使われていた口金を再現して作られたものです」

鉄道やバスの車掌が使っていたカバンをモチーフにした『TRAINMAN(トレインマン)』は、少年時代を思い出してワクワクするようなプロダクト。昔と同じデザインを再現したという大きな口金は、マットな質感を出す特殊薬剤を使用したメッキ仕上げが施されている。金属の光沢が抑えられているから、どことなくヴィンテージ感が漂う仕上がりだ。

また本体とベルトには、日本最高峰とも言われる高品質な「栃木レザー」の天然牛革が使われている。自然素材のベジタブルタンニンでなめすことにより、素材本来の良さを活かしたふっくらとした厚みのある風合いに仕上がるという。

当時のカバンの内側は革の裏側がむき出しになっていたが、『TRAINMAN』ではさらっとした麻100%で上品な仕上がりに。同じく内側に配置された“切符を入れるためのポケット”には、交通系ICカードを入れるのもいいかも知れない。

気分はアメリカンボーイスカウト!

「BAGWORKS」は、実は職業以外のカバンも多く展開している。ボーイスカウトのカバンを参考に作られたという『BOYSCOUTSMAN(ボーイスカウトマン)』はそのひとつ。

「職業をメインに作るにしても限界がありまして(笑)。『BOYSCOUTSMAN』の企画は、リュックをラインナップに加えたいという考えからスタートしました。当初は登山家やレスキュー隊などリュックを使っている人を探したのですが、アメリカのボーイスカウトで使われていたリュックは作りも面白く、ここにたどり着きました」

『BOYSCOUTSMAN』の本体に使われている10号帆布には、表面に独特の折れジワが出るようにバイオウォッシュ加工が施されている。これは、ボーイスカウトで使い古されたかのような自然な雰囲気を意識しているのだとか。使うほどに柔らかく馴染んでいくし、育てることによる風合いの変化も楽しめるだろう。

そして、60年以上カバンを作り続けてきたノウハウは、『BOYSCOUTSMAN』にも活かされている。例えば、背中部分にウレタン素材を入れているのは、長時間バッグを背負っていても疲れにくいよう配慮してのこと。さらに荷物をさっと取り出せるように、当時のカバンには無かったサイドジップを装備するなど、バッグワークスなりのこだわりが随所に表れているのだ。

もちろん見た目もかっこいいけれど、なにより「昔の“しごとのかばん”をリデザインする」というBAGWORKSの考えが、遊びゴコロある僕らの心をくすぐってくる。“しごとのかばん”を持って、今度の週末は子どもとどこに遊びにいこう。

BAGWORKS
MILKMAN
価格:各6264円

TRAINMAN
価格:各3万240円

BOYSCOUTSMAN
価格:各1万2960円