これがアディダスの本気だ!フルマラソン2時間切りのために作られた高機能シューズで走ってみた

今月テストしたギア
新開発のミッドソール素材、ブーストライトを始めとして、フルマラソンで2時間を切ることを意味する“サブ2”を目指す。そんなアスリートのためのスペックを結集した高機能レーシングシューズが完成。世界レベルのアスリートのために開発されたが、市民ランナーの自己記録更新もしっかりとサポートしてくれる1足である。

adidas
アディダス アディゼロ サブツー
実勢価格:1万9440円

SPEC
サイズ:23.0cm ~ 29.5cm

フルマラソン2時間切りのためのスペックを1足に結集した!

世界中の長距離ランナーが目指しながら、これまで誰もクリアすることができていない記録が存在している。それがフルマラソン(42.195km)を“サブ2”。すなわち2時間を切って走ることだ。

思い返してみると、この10年はマラソンの世界では高速化が叫ばれ、2008年のベルリンマラソンでハイレ・ゲブラセラシエ(エチオピア)が2時間3分59秒で当時の世界記録を更新すると、その後も2011年のベルリンでパトリック・マカウ(ケニア)が2時間3分38秒、2014年の同大会でデニス・キメット(ケニア)が2時間2分57秒と、ワールドレコードを塗り替えてきた。

一昔前は2時間5分台を記録するアスリートは、ほんの一握りだったことを思うと、フルマラソンの高速化は本当に著しい。そして、このフルマラソンのスピードアップに大きく貢献してきたのが、アディダスである。

これら世界記録を樹立したマラソンランナーは、前者二人が『アディゼロ アディオス』(日本での展開名は『アディゼロ ジャパン』)を、キメットは『アディゼロ ジャパンブースト2』を着用していたのだ。そしてキメットの着用していたシューズには、その名の通り高いレベルで衝撃吸収性と反発性、耐久性を兼ね備えることに成功したブーストフォームというクッション性に優れた素材をミッドソールの一部に使用。

フルマラソン2時間切りのために新たに開発されたブーストフォームは、従来の衝撃吸収性、反発性、耐久性をキープしつつ、大幅な軽量化に成功している。

このマテリアルはスポーツシューズのミッドソールに広く使用されるEVA(エチレンビニールアセテート)よりも推進力が高く、この素材の採用も記録更新の一助となったという声があった。

そして2018年、アディダスが新たにリリースしたフルマラソン2時間切りのためのシューズ、『アディゼロ サブ2』には、ブーストフォームの比類なき衝撃吸収性、反発性はそのままに、軽量化にも成功したブーストライトという新素材が採用されている。

このシューズを実際に履いてみると、まず感じるのはその軽さとフィット感の高さ。ブランド発表のデータによると、160グラム(27.0cm)というが、体感ではそれよりも軽く感じる。これはかかとから中足部にかけてのフィット感の高さが大きく影響している気がする。

アッパーのホワイトの三本線はプリントだが、シューズ内側に中足部のフィット感を高めるために人工皮革素材のスリーストライプを配している。

走り始めてみると、従来のブーストフォームが、荷重された際に沈み込んで「フワフワ」した感覚を提供するのを大きな特徴としていたのに対し、このブーストライトは沈み込む感覚はあまり感じず、素材自体の反応が従来のブーストフォームやEVAと比較してクイックであることが理解できた。

徐々にスピードを上げていくと、反発性の高さを感じることができる。自分の走力ではフルマラソン2時間切りのペースで長距離を走ることはできないので、それより速い100メートル/15秒のペースでダッシュを何度か繰り返すと、カラダが宙に浮くような抜群の反発性を感じることができた。

さらにアウトソールに使用された、自動車用タイヤでも有名なコンチネンタル社のラバーコンパウンドは、アスファルトやコンクリートといった舗装路において、これまでにないレベルのグリップ性を発揮してくれ、着用者の脚力をロスなく路面に伝達してくれる。

アウトソールはグリップ性能に優れた、自動車タイヤで有名なコンチネンタル社製のラバーコンパウンドを使用。ランナーの脚力を確実に路面に伝える。

元来は世界トップレベルのランナーのために開発されたレーシングシューズであるが、ある程度の衝撃吸収性も確保しているので、日課の6kmランを終えるころには、筆者レベルの脚力でもハーフマラソンなら対応するだろうことが理解できた。

そして4月8日に開催されたホノルルハーフマラソン ハパルアにて、このシューズを履いて出走したが、レースの最初からゴールまで、抜群の軽量性と反発性、衝撃吸収性のコンビネーションを堪能することができたので、自己記録更新を目指す市民ランナーにもぜひとも履いてほしい。

南井正弘(みないまさひろ):ランニングポータルサイト『Runners Pulse』編集長。某スポーツシューズブランドに勤務し、クイズ番組『カルトQ』のスニーカー部門チャンピオンにも輝いた実績を持つ。

『デジモノステーション』2018年7月号より抜粋。

関連サイト

adidas adizero Sub2(アディダス アディゼロ サブツー)