国内最大の電動アシスト自転車製造拠点!「パナソニック サイクルテック」柏原工場を見学してきた

通学、買い物用から子乗せ自転車、スポーツモデルまで、いまや日本国内では自転車市場全体のおよそ8%が電動アシスト自転車になっている。そのうちの国内シェア40%を担っているのが、パナソニックサイクルテック株式会社。電動スポーツモデルの拡大を狙い、冒頭の写真にもある新型の電動アシストマウンテンバイク『XM2』を2018年7月に発売予定だ。

今回は、同社の国内最大規模と言われる電動アシスト自転車製造拠点である、大阪府の柏原工場を見学させてもらい、さらに発売前の新スポーツモデル『XM2』にいちはやく試乗することができた。

甲子園球場の1.6倍の面積があるパナソニックサイクルテック柏原工場。この大量のパイプが、1日あたり数百台というハイペースで自転車のフレームへと姿を変えていく。

この工場ではパナソニックブランドの電動アシスト自転車全32モデルに加え、パナソニックの一部スポーツモデル、そしてオーダー自転車システム「POS」の特注品まで幅広い自転車を生産している。フレーム製造から塗装、組み立て、電動アシスト自転車の要となる駆動ユニットの生産、そして梱包、出荷までをここだけで完結できる一貫生産体制が強みだ。

製造工程は「自転車技士」という資格を持ったスタッフを中心にして進められ、フレームの溶接だけでも、ガスと溶剤による「ロー付け溶接」、ロボット化された電気溶接「MAG溶接」、そしてチタンフレームに特化した「TIG溶接」が使い分けられ、材質やモデルによって異なった製法が用いられている。塗装も下処理から上塗りまで手の込んだ作業により、登録色200色、2018年モデルの国内カラーラインアップで31色のカラーバリエーションに対応するという。

また、検査のきめ細かさもこの工場の特徴で、溶接などを終えた製造済みフレームの検査、そして最終的な組み立てを終えた自転車について、自転車技士による全数検査が実施される。こうした検査を通過した自転車は、一部オーダーメイドのスポーツモデルを除き、ほぼペダルを取り付けるだけで乗り出せる9割方完成車の状態で出荷されることになるわけだ。

さて、こちらは最新モデル『XM2』が組み立てられていく様子。パナソニック サイクルテック柏原工場では、モデルに応じてラインの長さが異なる3パターンの映像ラインを持っているが、『XM2』のような高級・スポーツモデルではひとりの自転車技士が組み立てを行う「セルライン」方式が用いられるのだという。

そして完成した『XM2』がこちら。駆動ユニットに国内モデルの多くが採用している「2軸センターユニット」ではなく、海外輸出モデルなどに多く使われる「1軸センターユニット」を搭載した電動アシストマウンテンバイクだ。

内装2段変速のマルチスピードドライブユニットとシマノSLXコンポーネントによる10段変速を同時採用。バッテリー容量は36V 12.0Ahで、アシスト走行距離がHIGHモード時で約61km、AUTOモード時約75km。ECOモードを使えば約107kmにも達する。もちろん完全に柏原工場製のメイドインジャパン・モデルである。

今回の試乗で走行したテストコースは、勾配4度、8度、12度の斜面があるコース。驚くべきことに、『XM2』は4度程度の勾配であればまったく意識することなくグングンと加速しながら登ってしまう。登り切った後のカーブでは、予想外のスピードに委縮して思わずブレーキをかけたほど。同じく8度、12度でも立ち漕ぎなんて一切不要と言わんばかりの強力なアシスト力を見せてくれた。ちなみに、だいたい時速20km程度での走行時にもっとも気持ち良いアシスト感がかかるようにセッティングされているとのことだ。

取材前から『XM2』の存在だけはなんとなく知っていて、専用充電器込みとはいえ税別38万円という価格は高いと感じていたが、その製造工程を間近に見た上で、その強力なアシスト性能を体感してしまうと、やはりこの価格設定にも納得してしまうのであった。

関連サイト

XM2|電動アシスト自転車/自転車
パナソニック サイクルテック株式会社(Panasonic)