ドラフトティー、オーガニック茶葉、抹茶ビール…。“日本茶観”が変わるショップ5選【日本茶レボリューション】

これまでの常識を覆す、新しくて深淵なる“日本茶”の世界
【日本茶レボリューション】

ペットボトルの日本茶が登場して今年で28年。自販機には必ずといっていいほど日本茶があり、もはや“自分で淹れる”のではなく、“買う”のが当たり前 ———— もしかすると……自分で淹れるどころか、親が淹れている姿も見たことないなんてヒトもいるかも。時代とともにライフスタイルが大きく様変わりし、あれこれ便利になったはいいけれど、「湯を沸かし、ゆったりとした気持ちで日本茶を淹れ、それを憩いながら飲む」という時間が失われてしまっているのでは? だからこそ、そんな時間と様式を取り戻そう……というのではなく!(いや、それもあるが)今、“新たな魅力ある嗜好品”として日本茶への注目度が高まっている。茶葉の選び方、抽出方法、そしてそれらをどうアピールするか? そのあたりがなんとも斬新で好奇心をくすぐられてしまうのだ。だが、そこには代々受け継がれてきた、真摯な茶葉づくりがあってこそ!まさに温故知新でレボリューションな“ジャパニーズ・ソウルティー”こと日本茶ライフ、はじめませんか!

レボリューションなSHOP

Part1 ソウルティー=日本茶との新たな付き合い方
日本茶ギョーカイが刷新され、サードウェーブコーヒーのような流行がキテイル今!常識を覆すようなSHOPが増殖中。だからって、基本をないがしろにしているワケじゃない。日本茶という素晴らしい技術と伝統を踏まえた、新たな茶に出会いにいこう!

 

SHOP 1
嗜好を極めた、ハンドドリップ専門店

井原さんはバーテンダーとして活躍し、日本茶の世界に。ウイスキーとの共通点が多々あるそう。

@三軒茶屋
東京茶寮

昨年1月にオープンした世界初のハンドドリップ日本茶専門カフェ。“日本茶は手を使い、急須で淹れるもの。わざわざハンドドリップと言わずとも”という天邪鬼はさておき。訪れれば一目瞭然! ミニマルでスタイリッシュな空間で、バリスタのように日本茶を供する店長・井原優花さんの姿に惹き込まれる。

「シングルオリジンや希少な茶葉を一杯ずつ丁寧に淹れることで、コーヒーやウイスキー、ワイン、日本酒といった嗜好品のように個性を愉しめます」

同じ品種であっても、産地、生産者、蒸し、焙煎の違いで味わいが異なるのが日本茶の特性。こちらでは2種を選び、それぞれ一煎め、二煎めを飲み比べ。さらに玄米をプラスした三煎めをいただけば“日本茶観”が大きく覆されるハズだ。

2種類の茶(計5煎)と菓子がついて1300円。「ドライフルーツの羊羹」をチョイス。
三煎めは玄米をプラス
コーヒードリッパーのようだが、日本茶専用のオリジナルアイテム。波佐見焼とタモ材でできており美しさもピカイチ。ドリッパーは非売品だが、自宅で手軽に使える茶器も販売。また茶葉や茶菓子もオーダーでき通販も可。
DATA

住所:東京都世田谷区上馬1-4-15
電話番号:非公開
営業時間:13:00〜20:00(19:30LO)、土・日・祝は11:00〜
休み:月(月が祝日の場合は翌日)

 

SHOP 2
ビアサーバーから抽出される唯一無二の日本茶

コンセプトは“日本茶エンタテインメント”。ドラフトティー700円は客自身が注ぐという遊びゴゴロも。

@鎌倉
CHABAKKA TEA PARKS

日本茶の愉しみ方が多様化した今、なんと“ビールサーバーで注ぐ日本茶”も登場した。ビールに茶を合わせたもの? なんて安易に想像しちゃいけません!

「水出しした茶に、窒素ガスをたっぷり浸透させ、日本茶に適した専用のサーバーで注ぎます。きめ細かでクリーミーな泡が甘みと旨みをより高めるんです」

そんなドラフトビールならぬ、ドラフトティーを提供するのは気鋭のオーナー、三浦 健さんだ。茶葉は“天然玉露”の異名を持つ「あさつゆ」で、数百種類もの茶葉を試し、産地に赴き決定した。ほかに煎茶、抹茶、玉露、焙じ茶、釜炒り茶、和紅茶、和烏龍茶を扱うが、いずれも一番茶やオーガニック栽培ばかり。吟味した茶葉と枠にとらわれないアイデア。日本茶の世界がグッと拡がる。

アパレル業界から日本茶業界へと転身した三浦さん。今後は伝統文化やものづくりの分野へのアプローチも。ドリッパーも独自に開発。
日本茶はエンタテインメント
今年4月にオープンしたばかり。「CHABAKKA」という名にはお茶バカ、お茶ばっかり、茶葉という意味が込められている。淹れ方に応じて、ガラス製のドリッパーか急須、シェーカー、そして三浦さんが設計した陶器製のドリッパーを使い分けている。茶葉、茶缶、Tシャツ、トートバッグもリリース。
DATA

住所:神奈川県鎌倉市御成町11-10
電話番号:0467-84-7598
営業時間:11:00〜18:00
休み:水

SHOP 3
モノヅクリの町でオーガニック茶葉を買う

「静岡育ちですからお茶は日常。急須を知らない若い人たちが多いことに驚きました」と西形さん。

@蔵前
NAKAMURA TEA LIFE STORE

来年、創業100年を迎える、茶農園「中村家」。静岡県藤枝市の山間部で代々、茶づくりを行い、現在は四代目の中村倫男さんが切り盛りしている。30年も前から無農薬有機栽培に取り組み、茶葉はすべてオーガニック。そんな中村家のブランドであり、旗艦店がこちらで、中村さんと、その幼馴染である西形圭吾さんがタッグを組んで運営している。

じつは西形さんの本業はデザイナー! 蘭字(かつて輸出用茶箱に貼った商品ラベル。木版多色刷りでイカしてた)を彷彿とさせるパッケージや、リノベした茶問屋風な設えなど、そこかしこに目を奪われる。すべての商品は、茶葉の収穫日、収穫場所、栽培担当者、栽培方法を記載した品質保証書付き。中村家の、おいしくて安心な茶葉を召し上がれ。

2015年にオープン。茶葉、茶器の販売店だが、西形さんやスタッフが急須で丁寧に淹れた茶を試飲できる。赤レンガに紗の暖簾が目を引く。ふらっと訪ねて茶葉談義をする人も。少人数のワークショップも開催。


茶畑は3つ。それぞれの土壌や環境に応じて栽培。ラベルの色が飲み口を表現。常滑焼の急須でいっそうおいしく。

DATA

住所:東京都台東区蔵前4-20-4
電話番号:03-5843-8744
営業時間:12:00〜19:00
休み:月

SHOP 4
シングルオリジンのなんたるかが一目瞭然

昨年11月にオープン。ボトルは水出し茶。常時6種類が用意され、すべて試飲可能。茶葉は都度変わる。

@銀座
煎茶堂東京

扱う茶葉は単一品種・農園のシングルオリジンで常時25種類ほど! 

どう選べばいいか悩むが、店長の李セロムさん曰く、「まずは直感で選んでみては。缶の色は独自のアルゴリズムで、それぞれの茶葉を色に置き換えたものなんです」とのこと。なるほど、缶の色=茶葉の個性を教えてくれる仕組みだ。各種試飲ができ、適した淹れ方もレクチャー。

「こんなシーンに飲みたい」といった要望にも的確なアドバイスがあって、つい通い詰めたくなる。


試飲の際、「茶葉は4g、一煎めは70℃、二煎めは80℃で」と李さんが基本の淹れ方を教えてくれる。オリジナルの「透明急須」はギフトにも。

まるでラボのよう
DATA
住所:東京都中央区銀座5-10-10 銀座マルシマビル1F
電話番号:03-6264-6864
営業時間:11:00〜19:00
休み:なし(年末年始、夏期休暇を除く)

SHOP 5
老舗ホテルによる個性豊かな日本茶メニュー

緑茶、番茶、紅茶をそれぞ練り込んだ3種のお茶ソーセージは2200円。抹茶ビール790円と一緒に。

@御茶ノ水
RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU

明治32年(1899)創業の老舗旅館飲食業で知られる「龍名館」。現在は全9室のラグジュアリーホテルとして、海外の旅行者らに評判が高い。“茶を食す”をコンセプトにしたレストランでは、さまざまなお茶料理&お茶ドリンクを提供。

なかでも看板メニューの「1899抹茶ビール」は、独自開発の抹茶ペーストを使い、一般に粉っぽくなりがちなところを、なめらかな喉越しに。ほうじ茶、和紅茶のビールもあり、まさにお茶のパラダイス!

北海道の甘口白ワインと合わせた、抹茶ワインは720円。9月29日まで、お茶ビールを含む10種などを飲み放題できる「抹茶ビアガーデン」を開催。2時間で3500円。
DATA

住所:東京都千代田区神田駿河台3-4 ホテル龍名館お茶の水本店1F
電話番号:03-6264-6864
営業時間:ランチ =11:00〜15:00(14:30LO)
カフェ =14:00〜16:30(16:00LO)
ディナー=17:30〜23:00(22:00LO)
休み:なし

 

『デジモノステーション』2018年8月号より抜粋。