IQOSに切り替えることはベストではないが、ベターな選択。PMIが目指す“スモークフリーの社会”とは?

去る2018年10月11日、世界最大のたばこメーカー「Philip Morris International(フィリップ・モリス・インターナショナル)」(以下、PMI)により開催された「TECHNOVATION Smoke-free by PMI」。スイス・ニューシャテルで行われた同イベントでは、IQOSに関するさまざまな技術やデータなどが世界中のメディア関係者に向けて発表された。

僭越ながら、d.365編集部も日本代表メディアのひとつとしてスイスへ行き、イベントに参加、取材させていただいた。「そもそもIQOSってなにがすごいの?」、「紙巻タバコより有害性は少なそうだけど、それって本当なのだろうか?」など、普段の何気ない疑問から科学的なデータまで、PMI担当者の言葉を軸に紹介しよう。

加熱式タバコ「IQOS」と紙巻タバコってなにが違うの?

そもそもIQOSユーザーでも、加熱式タバコ「IQOS」と紙巻タバコの違いを知らないという人も多いのではないだろうか。簡単に説明すると、通常の紙巻たばこの場合、600度以上の火でたばこ葉を“燃やす”ことで“煙”を発生させるのに対し、IQOSはホルダー内の加熱ブレードにより、たばこ葉を300度以下で“加熱”することで“蒸気”を発生させるという違いがある。

上記の違いによって生じる最大のメリットは「健康へのリスク低減」である。これこそPMIが長年の研究で目指しているタバコの未来、そして“スモークフリーの社会”なのだ。

PMIが目指すスモークフリーの社会を、3人の担当者が語る

「TECHNOVATION Smoke-free by PMI」では、「グローバル・コミュニケーション」「サイエンス&パブリック・コミュニケーション」「プロダクト&プロセス・デベロップメント」の3つの部門の代表者が登壇。それぞれの知見からIQOSのストーリー、そしてPMIが目指すスモークフリーの社会についてのプレゼンテーションが行われた。

PMIの使命は、我々の会社を作り上げた紙巻タバコという存在を、自分たちの手で消し去ることです

グローバル・コミュニケーション部門の副社長マリアン・ザルツマン氏は、「社会における科学技術」をテーマにこう話した。

「技術というのは、存在していても使われなければ意味がありません。IQOSも同じで、人々の生活を変えなければ意味がないです。IQOSは一部のガジェット好きのための製品ではなく、既存のすべての成人喫煙者向けの製品なのです。

これまで科学技術の発展により、さまざまなリスクを低減してきました。例えば1900年頃の最大の死因は胃腸炎でしたが、いまではドラッグストアで薬を買って治せる時代です。また自動車業界においても、シートベルトが存在しない時代から義務の時代へと変化し、エアバッグの必要性も認知されたことで交通事故による死亡率が大幅に下がりました。リスクは、科学と技術により改善できる問題なのです。

これはタバコにおいても同じことが言えます。現在の紙巻タバコは、製造が本格化した1880年頃から基本的な構造に変化がありません。つまり新たな科学と技術により、現代らしいタバコの楽しみ方を生み出す必要があります。それがIQOSによって実現したいスモークフリーの社会です。

PMIの心臓部でもあるスイスの研究所では、約430名の専門家が働いています。科学者のほかにも、医学や食品、自動車メーカーからやってきた人もいます。これらの専門家たちが『タバコのリスクを低減させる』という目標にフォーカスして、紙巻タバコの代替品を開発することに注力しているのです。

PMIの使命は『TO KILL THE PRODUCT THAT MADE US』、つまり我々の会社を作り上げた紙巻タバコという存在を、自分たちの手で消し去ることです。私たちはタバコ会社ではありますが、喫煙者を増やすことではなく、むしろその真逆が現在の目標なのです。

喫煙という言葉の“煙”の文字は過去のものになります。スモークフリーの社会に徐々に近づいていると感じるからです。かつての紙巻タバコという存在を消し去ることができることを、みなさまに見届けていただきたいです」

10億人の喫煙者のリスクを低減させたいと考えています

続けて、サイエンス&パブリック・コミュニケーション部門の副社長モイラ・ギルクリスト氏は、「煙のない社会を目指して」をテーマにこう語る。

「私は、薬剤学の博士号や薬剤師の資格を取得し、これまで医薬業界に従事してきました。そうした経験を持った喫煙者の自分だからこそ、紙巻タバコがいかに身体に悪いのかも理解しています。

もちろんベストな選択は喫煙を辞めることです。しかし喫煙を楽しむという自由も尊重するときに、いかにリスクを減らせるかが重要な課題です。我々は2014年のIQOSローンチまでに、多くの時間をかけました。しかしそれは正しい科学の力で、正しい製品を作り、世界中の人を助けるために必要な時間でした。

科学的なエビデンスがあるものや、ユーザーが加熱式タバコに切り替えたいと思えるものを提供できれば、世界中でおよそ10億人い続けると言われている喫煙者のリスクを削減できると考えています。

紙巻タバコとIQOSを比較した場合、FDA(アメリカ食品医薬品局)が指定する18の有害性物質、それを含んだPMIが指定する58の有害性物質が約90%減少しているのが明らかになっています。発がん性物質15種類においても、約95%減少させています。残念ながら技術が発達しても交通事故がなくならないように、IQOSもリスクをまったく無くすということは現段階では実現できていません。しかし、リスクを0に近づけることは可能です。

タバコ会社が提示するデータの信憑性に疑問を持つ人がいるでしょう。もちろん私たちも、そうした声が上がるのも理解しています。そのためPMIでは10年以上前からデータの透明性を確保し、すべてのデータを開示しています。データの検証については製薬会社と同じ厳しい基準で行っています。臨床試験について外部に依頼しており、これも製薬会社でも使われる機関を選んでいるのです。

ある臨床試験で、私たちの取り組みを後押ししてくれるデータが得られました。喫煙者・非喫煙者・紙巻タバコからIQOSに切り替えるという3つのグループに分けて、合計5日間データを取ったことがあります。すると、IQOSに切り替えたグループの尿や血中に含まれる化学物質の量は、非喫煙者と近似したグラフになることが分かりました。さらに続けて90日間、6カ月間続けた場合でも同様の結果が見られたのです。

繰り返しになりますが、IQOSは100%リスクフリーというわけではありません。そのため、非喫煙者だった人がIQOSを購入することは決して望みません。しかし紙巻タバコを吸っている人がIQOS、もしくはPMI以外のメーカーでも良いので、健康のために加熱式タバコに切り替えることを強く望みます」

IQOSは、紙巻タバコより害の少ないモノを作ろうという考えから誕生しました

最後に登壇したプロダクト&プロセス・デベロップメント部門の副社長アンゲロス・コリリス氏は、「スモークフリー製品の進化」をテーマにこう話す。

「IQOSプロジェクトの背景には、『紙巻タバコより害の少ないモノを作ろう』というコンセプトがありました。しかしプロジェクト当初の製品は、何度も失敗に終わりました。サイズも大きく、ユーザーが本当に使いたいと思えるものが完成しなかったのです。

そこで私たちは、もっと努力が必要だと決意しました。製品開発の拠点となる研究所『CUBE(キューブ)』をスイスに設立することになったのです。

はじめは困難の連続でした。当時は加熱式タバコというジャンルの製品がなく、マニュアルがない状態のスタートだったからです。そのためPMIは、持ち運ぶためのサイズの小型化、一貫した安全性の確保、今までの経験したことのないデバイスを作るという製造の技術、誰もが手に届くコストの大きな4つのチェレンジを迫られました。

もちろんこのチャレンジの苦労を語るのは簡単ではありません。タバコ葉をオーブンのように加熱するのではなく、ブレードに差して内部から加熱するというアイデアや、バッテリー効率の最大化など、たくさんの試行錯誤により誕生したのが現在のIQOSという形です。

私たちは、『IQOS 3』『IQOS 3 MULTI』という2製品を発表しました。美しく、堅牢な最善な製品を作り出しました。世界中の成人喫煙者に届くことを、今から楽しみにしています」

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