大人も思わず夢中になる、エポック社『野球盤』60年目の熱量|熱闘野球盤

2018年は、野球が例年以上に盛りあがった年だった。ロサンゼルス・エンゼルスに移籍した大谷翔平の活躍にはじまり、第100回を迎えた夏の高校野球では金足農業高校の一大旋風が。MLBではボストン・レッドソックスが5年ぶりにワールドシリーズを制覇し、日本では福岡ソフトバンクホークスが2年連続9度目の優勝を果たしてシーズンを締めくくった。そして2018年。もうひとつ忘れてはならないのが、誕生から60周年を迎えたエポック社の『野球盤』だ。子どもの頃に夢中になって遊んだあのゲームが、節目の年にさらなる進化を遂げて姿を現した。2018年シーズンは終わったけれど、僕らの熱闘はまだまだ終わらない!

60年目にして、ついに“怪物投手”現る

2018年に発売された最新版『野球盤3Dエース モンスターコントロール』は、アニバーサリー・イヤーにふさわしい傑作。子どもはもちろん、かつて野球盤に夢中になった僕らも再び夢中になりそうな、まさに“モンスター”な野球盤だ。

それを示すのが「3Dコントロールピッチング」「3Dスラッガー」「スピードガン電光掲示板」という3つの新機能。もう「消える魔球」どころじゃない。子どもの頃に遊んでいた“あの”野球盤からは想像もつかないほどパワーアップしているのだ。

「新機能のなかでもいちばん難しかったのが、3Dコントロールピッチング機能。投球がホームに向かって飛んでくる機能は2015年の時点ですでにできあがっていたのですが、9分割されたストライクゾーンにいかに正確に投げられるようにするかは苦労しましたね」

このように語るのは、エポック社で野球盤の企画開発に携わる數原(かずはら)修さん。

「加えて、最新モデルでは電光掲示板に投球コースが表示されるシステムもいっしょに作ったんです。だから、実際の投球と表示にバラつきがあってはいけない。いかに投球ミスをなくし、コントロールのいいピッチャーにするかは苦労した点であり、こだわりでもある。まさに“モンスターコントロール”なんですよ」

怪物投手と最強打者──夢の名勝負が実現

しかし、宙に浮いた球をちゃんと打てるのか? 3Dに進化したことで昔と比べてゲームの難易度が上がったように感じてしまうが「難易度は代々続いている野球盤とそれほど変わらない」と數原さんは説明する。

「以前は鉄製のバットでしたが、2010年にラバーが付いた“高反発バット”を採用して、まず打球が飛ぶようになりました。当時は打球を飛ばすため、素材をラバーに決定するまでも相当な試行錯誤があったようです。また、打球が飛びすぎてしまうと危険なので、盤面に収めるためにラバー選びや貼付面積を決めるうえでも大変だったと聞いています。ただ、こうした素材の進化によって、基本的にはタイミングさえ合えば球が飛びやすくなっているんです」

「そして、ピッチャーとともにこのモデルではバッターも進化させました。それが3Dスラッガー機能。バッターが上下に動くことで投球の高低に対応できるので、ピッチャーとバッターが対等に勝負できるようになったわけです」

數原さんは「現実の野球でホームランを打つのは難しいけれど、野球盤であれば練習すればちゃんとホームランも打てる」とも。遊ぶのはあくまでも子ども。時代は変わっても子どもの能力は変わらないので、それに合わせた商品開発、そして「子どもがいかに楽しめるか」という視点はいちばん大事にしているという。

剛速球に思わず「おぉぉっ!」とどよめく!?

『野球盤3Dエース モンスターコントロール』のもうひとつの新機能が、スピードガン電光掲示板機能。投球コースと併せて、球速も表示できるものだ。

「センサーが内蔵されていて投球の“スピード感”を読み取っているんです。プロのピッチャーであればだいたい90km/h〜160km/hで投げるので、その範囲で球の速さを割り当てています。センサーが『今のは速い』と感知すれば160kmが出るし、逆にスローだと感知すれば90km/h台や100km/h台が出るようになっている。もちろんリアルな球速ではありませんが、計算式によって割り当てているので“ウソではない”んですよ」

“単なるオモチャ”にとどまらない、野球ファンも納得する作り。それは、誕生したときから現在に至るまで継承されている“野球盤のポリシー”だ。

「野球盤はもともとオモチャというより『野球をいかに再現するか』というコンセプトでスタートしているんです。当時、すでに野球のオモチャはあったようなのですが、“投げて、打つ”ものは存在せず、そこで先代の社長が野球を再現した野球盤を作ったわけです。そのポリシーを引き継いで『野球の楽しみは何か?』を製品に落とし込んでいると、例えば『球って実際には飛ぶ』とか『実際のホームランはスタンドに入る』というリアルの追求につながっていく。それをお子さまが楽しめるようにアレンジしていくのが、野球盤の考え方なんです」

『野球盤3Dエース モンスターコントロール』を目にして、父親世代も思わず感嘆の声を上げてしまうのは、そんなオモチャとリアルとの絶妙なバランスがあるからだ。

「ぱっと見、野球盤って変わっていないじゃないですか。でも、その中身は今の子どもも楽しめるように進化している。そのバランスは難しい部分ですが、こだわりでもあるんです」

不変と進化を積み重ねてきた野球盤。第2回では、60年におよぶその歴史をのぞいてみよう。

エポック社
野球盤3Dエース モンスターコントロール

価格:1万2960円

誕生60周年のアニバーサリー・イヤーにリリースされた最新の野球盤。高中低、左右中央の9方向へ投げ分けできる3Dコントロールピッチング機能と、投球の高低差に対応する3Dスラッガー機能によって、一層リアルに近付いた最進化形モデルだ。一方で、父親世代にはおなじみの“消える魔球”も採用するなど、新しさと懐かしさを兼ね備え、子どもと父親がいっしょになって盛り上がれる。