クルマ好き3人とフランス車3台で片道500km!日本のテロワールを目指してみた

実は今、日本市場で急速に支持を広げているフランス車。その魅力を実感するために、クルマ好きの3人で3台のフランス車に乗って“日本のテロワール”と呼ばれる富山まで往復約1000kmのドライブに出かけてみた。

フランス代表3ブランド結集。乗ったのはこの3台!

フランスを代表する3ブランドから、それぞれの“顔”とも呼べるモデルが集合。フランス車の特徴とともに、ブランドごとの個性も感じることができた。

(上写真左)プジョー『5008』価格:404万円~

(上写真中央)シトロエン『C3』価格:219万円~

(上写真右)DS オートモビル『DS 7 CROSSBACK』価格:469万円~

「フランス車とテロワール」を味わい尽くす旅

フランス車の魅力を身をもって知るには、長い時間乗ってみるのが一番。ということで、プジョー、シトロエン、DSというフランスを代表する3ブランドから、それぞれ注目株の車種を選び長距離ドライブに出かけてみた。目指すは“日本のテロワール”と呼ばれる富山にあるSays Farmだ。

ちなみにテロワールとは「土地」を意味するフランス語から派生した言葉で、ワインなどを美味しくする生育環境のこと。フランスの土地柄が育てた独特の乗り味を持つフランス車をテストするには最適な目的地だろう。

ドライブのついで(あくまでも“ついで”)に日本のテロワールが育てたワインも味わうため、スケジュールは1泊で設定。3台をドライブするのはクルマ好きとして知られる3人で、道中はそれぞれのクルマを乗り換えながら富山を目指した。多くの輸入車を運転してきた3人に、最新のフランス車はどう映るのだろうか?

ドライブしたのはこの3人

インテリアスタイリスト窪川勝哉

TVや雑誌など各種メディアを始め、ウインドウディスプレイやモデルルーム、イベントのデコレーションなども手がける。インテリアだけでなくクルマや家電などにも造詣が深い。

自動車ジャーナリスト川端由美

大学院で工学を学び、エンジニアを経て自動車ジャーナリストの道へ。その経歴を活かした評論には定評があり、海外のモーターショーや学会などを積極的に取材している。

乗り物ライター増谷茂樹

雑誌やWebなどでクルマやバイク、自転車など乗り物についての記事を手がける。多くのクルマを試乗しているが、近年最も印象に残っているのはフランス車のハンドリング。

【Start!】日本のエッフェル塔をスタート!
東京タワー~首都高速道路

スタート地点に選んだのは、エッフェル塔を思わせるシルエットを持つ東京タワー。朝もやの中ではエキゾチックな雰囲気がさらに高まる。今回の旅の起点にふさわしいシルエットだ。

オートルート(高速)をひた走る
関越自動車道~上信越自動車道

オートルートと呼ばれる高速道路が全土に張り巡らされているのは、フランスと日本の共通点。どちらもドイツのアウトバーンとは異なる特性を持ち、クルマの性格が如実に現れる。

海沿いのワインディングも体験
上越JCT~名立谷浜I.C

日本海が見えたら高速道路を降りて海沿いのワインディングロードもドライブ。コート・ダジュールを思わせる海の色に、ハンドルを握る側もテンションが高まる。

ここはマルセイユ!? 氷見漁港にも

定置網漁で栄えた氷見漁港は、フランスの同じ港湾都市のマルセイユに重なる。港の中までクルマで入って行けるので絶好の観光スポット。

魚市場が併設されているので、朝は威勢のいい声がこだまする。新鮮な魚介類を味わえる食堂も併設されており、富山を訪れたらぜひとも立ち寄りたいポイントだ。

ぶどう畑の中を走る

氷見漁港から少し山の方へ向かっただけで、一面にぶどう畑が広がる。海と山が近い立地条件ならではのロケーションだ。こうした田舎道を走るのも楽しいのがフランス車。

【Goal!】日本のテロワールSays Farmに到着

目的地に到着したのはちょうど夕焼け時。富山湾を望む絶景に夕日が射し込み、3台のシルエットを引き立てる。

スタート直後の市街地から高速道路、ワインディング、そして木の葉の浮いた田舎道まで、様々な条件で3台の乗り味を確かめることができた。それぞれのシーンで目にしてきた風景も素晴らしく、ここまで走ってきた距離など忘れてしまいそうなほど充実したドライブだった。

往復1000kmを旅して感じた
フランス車ならではの3車3様の個性

メーカーや車種ごとにも特徴がある

ドイツ車やアメリカ車と比べても個性が強いといわれるフランス車だが、メーカーごとや車種ごとの個性も併せ持っていることが試乗を通して実感できた。特にプジョー『5008』とDSの『DS 7 CROSSBACK』はプラットフォームが共通のはずだが、実際に乗ってみると乗り心地もハンドリングも別物に仕上がっている。

高速道路、市街地、ワインディングと、様々な道を走った中でそれぞれの個性を体感できた。各々、得意とするシーンは異なるが、共通していたのは乗り心地が良く、長時間運転していても疲れが少ないこと。そして、どんな道でも楽しくドライブできることだ。最もコンパクトで排気量の少ないシトロエン『C3』でも、高速道路でパワーや快適性に不満を感じることはなく、最もラグジュアリーな『DS 7 CROSSBACK』でもワインディングでは操る楽しさを味わえたのはうれしい驚きだった。

PEUGEOT『5008』
高速道路での高いスタビリティを実感

今回試乗したのはプジョーの「5008 GT BlueHDi」という7人乗りボディに2.0Lのディーゼルエンジンを搭載したグレード(車両本体価格:473万円)。小径のステアリングホイールはわずかな動きで車線変更などが可能で、パワフルなエンジンと剛性感のある足回りが相まって高速道路での移動が非常に快適だった。コシのある座り心地のシートも長距離移動の疲れを少なくしてくれる要因。後席も広々としていて同乗者の評価も高かった。

小径のステアリングを装備したスポーティーなコックピットだが、ハンドリングはピーキー過ぎず見た目以上に運転しやすい。
7人乗りのボディで長いホイールベースを持つこともあり、高速道路での安定感は抜群。ピシッとした剛性感があり安心感も高い。
暗い場所では濃紺のように見え、光が当たるとエメラルドグリーンのように輝く車体色も好評。光によって表情を変えてくれる。

DS オートモビル『DS 7 CROSSBACK』
気分は大統領のラグジュアリーな乗り心地

大統領のパレードカーにも採用されたモデルだけに、乗り心地の快適さは随一。試乗した「DS 7 クロスバック Grand Chic BlueHDi」(車両本体価格:562万円)は、最上位グレードだけあってカメラで前方の路面をスキャンし、凹凸を識別。電子制御サスペンションの減衰力を最適に調整して、カーペットの上を走っているかのような乗り心地を実現してくれる。オプションのナッパレザーシートに腰掛ければ大統領の気分が味わえる!?

レザーシートには時計のベルトを模したデザインが施される凝った作り。インテリアの装飾もラグジュアリーな気分を高める。
走行モードの切り替えで乗り味を変えることが可能で、スポーツモードではワインディングを結構なペースで走ることも可能だ。
ライトのデザインもひと目でDSとわかるもの。キーをONにするとLEDのライトがクルクルと回転してドライバーを迎えるギミックも。

CITROEN『C3』
ワインディングや街乗りが楽しい「操ってる感」

3台の中で最もコンパクトなボディを持つシトロエン『C3』は高速道路でもワインディングでも操る楽しさが傑出している。1.2Lのターボエンジンは、変速をマニュアルモードにして上まで回すのが気持ちいい。ボディサイドにプロテクション機能を持つエアバンプを装備したスタイリングも注目度抜群。試乗したのはバックカメラやコネクテッドカムを装備する「SHINE」というグレード(車両本体価格:243万円)だ。

6速のATミッションは手動で変速できるマニュアルモードも備え、操っている気分を盛り上げる。シフトレバーのデザインも凝ったもの。
ワインディングでの楽しさは3人でハンドルの取り合いになるほど。ちょうどいいサイズ感と足回り、エンジンのバランスが絶妙だ。
もう1つの魅力はデザイン。ボディサイドの特徴的なエアバンプや、ツートンのカラーリングは国産車では真似のできないものだ。

自然の恵みを目一杯堪能する!
日本のテロワールSays Farmとは?

海の恵みと山の恵みをどちらも味わえる環境

今回の主役は3台のフランス車だったが、旅を素晴らしいものにしてくれたのは、間違いなく目的地に選んだSays Farmとその周辺の美しい海と山々だった。ワイナリーとしてスタートしたSays Farmはレストランやゲストハウスも併設されており、地元の野菜だけでなく海の幸も味わうことができる。

実はSays Farmの母体となっているのは地元の氷見漁港を拠点とする魚問屋。畑を作り始めた当初は多くの海の男たちが開墾にあたったという。この街の漁業は乱獲を防ぐため、定置網に入った魚の7割は逃がす仕組みを昔から取り入れてきたという。そんな伝統を持つ土地柄だからこそ、海の恵みも山の恵みもサステナブルに味わい続けることができるのだ。

気候を活かしたワイナリー

耕作放棄地に木を植えるところから始めたというワイナリーは、自社製のぶどうを100%使用。オープンして8年目だが、国内の各種コンクールで入賞するなど多くの実績を持つ。

土地の味を楽しめるワイン&ハーブ

自社製ワインはもちろん、土地のりんごで作られたシードル、自家栽培のハーブなどの販売も手がける。実店舗のほか、オンラインストアでも購入することが可能だ。

ランチや宿泊も楽しめる

レストランではワインのほか、地元で採れた海や山の恵みを味わえる。土地柄を活かし、鮮魚や氷見牛をメインとしたランチのフルコースも用意されている。

ゲストハウスも併設されており、貸し別荘感覚で宿泊も可能。家族や親しい友人たちと暮らすように過ごせる。氷見漁港で水揚げされる新鮮な魚や、地場の野菜を使った食事も魅力。

氷見漁港の中に食堂が!
系列店で新鮮な魚介類も味わえる

魚問屋が母体となっているだけに、氷見漁港の魚市場内にも系列の食堂が存在する。宿泊した際は、こちらの店でとれたての鮮魚を使った朝食を味わうことも可能だ。

漁港で水揚げされた鮮魚を使った夕食のリクエストにも応えてくれる。気候を活かしたワインから、この土地の生活を長く支え続けてきた鮮魚まで、土地の恵みを意味するテロワールを満喫することができるのだ。

関連サイト

SUV PEUGEOT 5008
NEW CITROËN C3
DS 7 CROSSBACK

SAYS FARM | セイズファーム|富山県氷見市のワイナリー