バンド練習もセミナーも自然環境音も!ハイレゾ録音できちゃうPCMレコーダーが便利すぎた

今月自らを捧げたガジェット

胸ポケットにはいる薄型コンパクトなPCMレコーダー。楽器演奏用に適した作りだが、会議やセミナー時の録音など、普通のICレコーダーとしても使える。上位機種がもっていた可動式マイクを採用し、モノラル的な録り方も、ワイドステレオな録音も行える。ダイナミックレンジが広く音割れしにくい仕様だが、リハーサル機能によって録音音量の自動セッティングも可能。

ソニー
PCM-A10
実勢価格:1万9800円

バンド練習もセミナーも24bit 96kHzのハイレゾ録音対応
ダイナミックなサウンドを記録OK

普段は取材時の音声しか録音しません。でも自然いっぱいの場所にでかけると、なにはともあれフィールドレコーディングしたくなっちゃうんですよ。海の波の音。小川のせせらぎの音。森林の葉擦れの音。デジカメで写真を撮るのと同時に、その場のサウンドも記録したくなっちゃうんです。

だから僕にはスマホのレコーダーアプリではなく、MP3録音のICレコーダーではなく、PCMレコーダーが必須なんです。PCMレコーダーはもともと楽器演奏用に作られたものですから、使われているマイクカプセルも高感度&低ノイズ&広帯域。ダイナミックレンジも広いから、わずかな風のゆらぎが作り出す音の流れも録り込めちゃう。

今まで2007年生まれのソニー『PCM-D50』を使ってきました。業務機然としたタフなスタイリングはいまでもサイコー。でも購入してから10年以上が経過し、メモリースティックしか使えないストレージ、データ転送はminiUSB、大きくて重いといったところが気になってきました。

あと最近メルカリにハマっているので、ヤフオクで美品なら2万円以上でも売れる『PCM-D50』はちょうどいい出し物かなーって思って。実際に売りましたけど、現場で使いまくって塗装ハゲも多い個体なのに、1万2000円で出した5分後に売れちゃった。失敗した。もちっと高い値をつけるんだった!

そして次期主力レコーダーは何にしようかな、と選び、悩み、ショップ店頭で試しまくってキメたのがこれ、同じくソニーの『PCM-A10』(以下コイツ)です。

もっと安価なZOOMの『H1n』や『H2n』、タスカムの『DR-07MKⅡ』、オリンパスの『DM-750』などと比較したのですが、メモリー内蔵でマイク可動式で三脚穴あって風切り音低減のイヤーマフが付属でUSB接続しやすくてと、トータルでのコスパを見ると僕にはコイツがイチバンよかった!

ハイレゾプレーヤーとしても使える
ソニーのPCMレコーダーは歴代機のほとんどが強力なヘッドホンアンプ回路を搭載していた。PCM-A10はコンパクトになったものの、その個性を受け継いでる。再生可能なハイレゾフォーマットはリニアPCMとFLAC。192kHz/24bit(96kHz/24bit変換)までのデータに対応する。

さすが最新型のPCMレコーダーだけあって機能は充実しまくりです。Bluetoothでスマホと接続し、スマホから録音/停止の操作や録音モードの設定などが行えるワイヤレスコントロールがGOOD。録音レベルの表示もコイツの画面表示よりも詳細。

本体に触りながらの操作だと手で触れているときの音も録音されてしまうので、最初から最後まで余計な音が入らないようにしたいときに便利なんですよね。

内蔵スピーカーがあるのも便利。録音レベルの確認はイヤホンで行うほうがいいのですが、万が一それを忘れてしまったときでも安心できますから。

またセミナーなど、人が話しているときの音をクリアに聴かせてくれるクリアボイス機能も頼れる存在です。滑舌よく、はっきりクッキリした声になるから喋っている内容をつかみやすく、文字起こしがとっても楽! またコイツのヘッドホン端子とパソコンの音声入力端子をケーブルで接続しSpeechnotes(要Chromeブラウザ)に音を認識させるとあら不思議。かなりの正確さでテキスト化してくれるじゃないですか。

USBはスライド式PCに直結できる
バッテリーの充電や、録音したファイルの転送時はUSBを使う。本体側面のスライダーを動かすと、USB Type A端子が飛び出てくる。デスクトップパソコンに接続する際は、USB端子を支えにして中に浮くように接続するケースがあるが、見ていて安心できるものではないのでUSB延長ケーブルを使いたい。

AIが音声データをテキストデータに変換してくれるGoogleのCloud Speech-to-Textに音声ファイルを食べさせる方法もありますが、こっちだと月60分を超えると有料なので、無料で使えるSpeechnotesに頼りまくりなのです僕は。

まあLINEアウト端子がなく、デジカメで録画する際の外部マイクとして使うにはちょい面倒(抵抗入りのケーブルを使わないとノイズが入りやすい)なところがありますが、不満なのはそれくらい。また10年くらい活躍してもらうとしましょうか!

3ポジションから選べる可動式コンデンサマイク


10万円級の『PCM-D100』など、プロ仕様のPCMレコーダーに使われていた可動式マイクシステムを採用したのがイチバンのセールスポイント。広いホールなどでの録音時は左右のマイクを外側に向けるワイドステレオポジションにして、広いステレオ感を記録、スタジオなどでバンドの音を撮りたいなら左右マイクを内側にするX-Yポジションにして緻密な音空間にすることもできる。またマイクを前側に向けるズームポジションは録音時の指向性が鋭くなり、周囲のノイズに邪魔されず目的の音を録音可能だ。

武者良太(むしゃりょうた)/ガジェットキュレーター。音響機器、スマートフォン、最先端技術など、ガジェット本体だけでなく、市場を構成する周辺領域の取材・記事作成も担当する。元Kotaku Japan編集長。

『デジモノステーション』2019年2月号より抜粋。