踵とつま先の高低差がないシューズで、足の故障を減少。元アメリカ代表ランナーが作るALTRA『DUO』が快適だった!

今月テストしたギア

ALTRA
DUO
実勢価格:1万7280円

SPEC
サイズ 25.0cm〜29.5cm

陸上競技の長距離種目の元アメリカ代表で、ランニングショップのマネージャーとして数多くのランニングに起因する故障を見てきたひとりのランナー。彼は踵から着地しない自然な走り方を実現させる踵とつま先の高低差がないゼロドロップの構造のランニングシューズが、解決のひとつであると確信してブランドを創業した。

踵とつま先の高低差が無い構造で
ランナーの悩みを解決するブランド!

筆者がほぼ毎日走るようになったのは2007年の11月初旬だから、それから11年が経過したことになる。5年に一度くらい足底筋膜炎というランナー特有の足裏の痛みを経験したが、一回に走る距離が6kmと短いので、他のランナーと比較すると故障は少ないほうである。この間に様々な故障によって走るのを長期間中断したり、全く止めてしまったランナーも少なくないのだ。

陸上競技の長距離種目の元アメリカ代表で、アルトラ ゼロドロップ フットウェアの創設者のひとりであるK. ゴールデン・ハーパー氏は、そんなランナーたちを「もう一度足の痛みなく走らせることはできないだろうか?」と常々考えていた。

そして導き出した結論が、「裸足で立っているのと同じ状態の踵とつま先の高低差がないゼロドロップの構造のシューズは、踵から着地しない自然な走り方を実現させ、足の故障を減少させる」ということである。

彼はいくつものメジャーなランニングブランドにゼロドロップ構造の靴を開発してほしいと長年懇願してきたが、それに応えてくれるブランドはなかった。そんな状況でハーパー氏が出した答えは「だったら自ら作ればいい!」というものであった。

ソールユニットのヒール部分を削り、ゼロドロップ状態にしたシューズをいくつも製造し、それをランナーに履かせると、障害を抱えたランナーやランニングをあきらめていたユーザー達から明らかな改善が見られるようになり、ゼロドロップシューズのプロトタイプを作成する事に。そして2009年、ゼロドロップシューズを展開するランニングブランド、アルトラが誕生した。

これまで筆者は『インスティンクト3』や『エスカランテ』といった10足ほどの同社のランニングシューズを履いているが、その走り心地の良さから日課としている6kmから距離を伸ばすことも少なくないほど、このブランドを気に入っている。

今回トライしたのは、特にクッション性とスピード性能を追求した『デュオ』というモデルで、足を入れた瞬間に感じたのはつま先部分のゆとりが、これまでのアルトラのシューズよりも余裕があるということ。

ゼロドロップと同様にフットシェイプという人間の足そのものから着想を得たラスト(木型)を活用することによって、足指部分が自然に広がり、リラックスする事で、最高のバランスと安定感を得る事が出来、着地時のショックを和らげる能力も高めているが、「今回はさすがにちょっとゆとりがありすぎるかも?」と思ったものの、ヒール部分を合わせ、シューレースをしっかりと締めると、その心配はなくなった。

フットシェイプという人間の足から着想を得た木型の活用により、足指部分が自然に広がり、リラックスする事で、最高のバランスと安定感を得られる。

かなり厚手のミッドソールを採用しているが、硬度のある素材を使用しているので、ホカ オネオネのシューズやアディダスのブーストフォームのような沈み込みはほぼ感じられない。

同社のラインアップではかなり厚みのあるミッドソールだが、硬度があるので素材の沈み込みは最小限で、着地時の衝撃を効率よく反発に変換するタイプだ。

走り始めると、ソールユニットがゆりかご状になっていることにより、着地から蹴り出しまでがスムーズで、グイグイとスピードが上げられることをすぐに体感できる。

そしてスピードを上げて着地時の衝撃が増した状態でもミッドソールの変形が最小限なことを足裏で感じるが、筆者のような体重66kg程度のランナーなら衝撃吸収に関しての不安はない。

アスファルトやコンクリートといった舗装路で最高のグリップ性を発揮するアウトソール。ラバーの使用面積を最小限にすることで高い軽量性も実現している。

最初に走った日は5分40秒のラップでフィニッシュ。二回目は10kmまで距離を伸ばし、最後の1kmは5分25秒までペースを上げたが、快適な走行感だったし、走った後のダメージも少なかった。

今回トライした『デュオ』を始めとして、初めてアルトラのシューズを見たランナーは、ゼロドロップ構造やその独特のつま先形状に戸惑うかもしれないが、実際にトライしてみると、快適な走り心地に驚くだろう。すべてのランニング障害を抱えたランナーに有効だとは断言できないが、試してみる価値はあると思う。

南井正弘(みないまさひろ):ランニングポータルサイト『Runners Pulse』編集長。某スポーツシューズブランドに勤務し、クイズ番組『カルトQ』のスニーカー部門チャンピオンにも輝いた実績を持つ。

『デジモノステーション』2019年1月号より抜粋。

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