F1用の12気筒エンジンを搭載した幻のヤマハ製スーパーカー! 『OX99-11』の咆哮に酔いしれる【動画3本】

バイクや電動アシスト自転車など2輪車のイメージが強いヤマハだが、実は4輪車(クルマ)の開発にも関わっている。トヨタ『2000GT』やレクサスの『LFA』などのエンジン開発を同社が手がけたのは有名な話だし、1989年〜1997年にかけてはジョーダンやティレルといったF1チームにエンジンを供給していた。そのF1用の12気筒エンジンを用いた公道モデルが市販直前まで行ったことを覚えている人はどれくらいいるだろうか? 今回は『OX99-11』と呼ばれる、この“幻のスーパーカー”を動画付きで紹介したい。

当時の市販予定価格は1億円オーバー!

『OX99-11』が発表されたのは、1992年のこと。3498ccのV型12気筒のパワーユニットは、当時F1に供給していたエンジンを公道向けにデチューンしたもので、自然吸気で450PSを発揮していた。このエンジンをミッドシップに搭載し、ドライバーは車体の中央に着座するという、まさにF1マシンにカバーをかぶせて公道を走れるようにしたような設計。足回りもF1と同じインボードマウント式のダブルウィッシュボーンで、トランスミッションとデフギアが一体となったトランスアクスル方式を採用するなど、フォーミュラマシン同様の構造となっている。

カーボンファイバーを多用したボディは重量わずか850kg!
450PSを発揮する12気筒エンジンを搭載し、最高速は350km/h、0-100km/hの加速は3.2秒と発表されていた。
ドライバーは車体中央に着座する設計で、まさにロードゴーイングF1マシン! 2名乗車の場合、バイクのようにドライバーの後ろに座る。

発売予定価格は100万ドル(当時の為替レートで約1億3000万円)で1994年にデリバリーを開始すると発表されていたが、バブル崩壊直後という社会状況もあり注文が思うように集まらず、1993年にはプロジェクトが終了してしまう。現存するのは世界でも3台のみという、まさに”幻のスーパーカー”なのだ。

昨年11月に行われた「ヤマハ歴史車輌デモ走行見学会2018」には、貴重な3台が顔を揃えた。
サスペンションはダブルウィッシュボーンで、ユニットは車体内部に収まるインボード式。
まさにレーシングマシンといった雰囲気のコックピット。ミッションは6速マニュアルだ。
フロントのカバーを開けると、フォーミュラマシンにカバーをかぶせた構造であることがよくわかる。

貴重なマシンの走行シーンも

ヤマハの袋井テストコースで行われた「ヤマハ歴史車輌デモ走行見学会2018」には、その現存する3台のマシンが揃って展示された。しかもそのうち2台は実際にテストコースを走行し、訪れた観客は幻に終わったその勇姿とF1マシンさながらの咆哮を堪能。その模様を写真と動画に収めたので、当日足を運ぶことができなかった人たちも目と耳に焼き付けてもらいたい。

まず、上の動画は止まった状態でエンジンを始動し、空ぶかしをしているシーン。タコメーターを見ると、そんなに回していないようだが、よく目を凝らすと数字が振ってあるのが5000回転からであることに気付く。それ以下で走ることなど想定していないようで、普通の市販車の常識で見てはいけないマシンだと感じさせる。ちなみにスピードメーターは330km/hまで計測できるようになっている。6000回転を超えてからの針が跳ね上がるスピードにも注目だ。

5000回転以下は標記されていないタコメーター。まさにレーシングマシンだ。

続いては走行シーン。この日は『OX99-11』だけでなく、ヤマハがエンジン開発と生産を手がけた1967年式のトヨタ『2000GT』や、レクサス『LFA』もデモ走行を行った。どちらも名車に数えられるクルマだけに音も官能的だが、やはりV型12気筒の『OX99-11』が放つエキゾーストノートはその中でも抜きん出ている。

世界的にも貴重な車体のうち、2台がデモ走行を行った。
こうして見ると、車体全体がウイングのような形状でダウンフォースを稼いでいることがわかる。
日本車としては唯一”ボンドカー”に選ばれたことでも知られる『2000GT』も走行。
500台限定で生産されたレクサス『LFA』のV10エンジンもヤマハ製だ。

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