家の近所で草花ともっと触れ合える『あたらしい草花あそび』|親と子のブックシェルフ

本は、未知なる世界へと連れていってくれる身近なアイテム。とはいえ、毎日たくさんの本が発売され、さらにはかつての名著とも併せると……その数は果てしなく、どう選んでよいものやら。“わが子のため、自分のため”に1冊、家に連れて帰ってあげたい1冊──。今回は『あたらしい草花あそび』をどうぞ。

子どもといっしょに外あそび……といっても、キャンプやボールあそびばかりが“外あそび”じゃない。家の外をちょっと散策して、草花を摘む──これだって立派な外あそび。ほら、まだ幼かったあのころを思い出してみて。シロツメクサを“花かんむり”にしたり、オオバコで“お相撲”をしたりと、身近な草花であそんだ記憶がぼんやりと浮かんでくるはず。でも、いつしか背が伸びて目の位置が高くなると、そうした草花への興味が薄れ、その存在すらすっかり忘れてしまったけれど……。

「どんな草花があったろう? 今もそれは道端にたたずんでいるのだろうか?」と考えたところで、さっぱり思い浮かべることができないほど、私たち大人は忙しなく生きている。そんな忘れてしまった思い出の引き出しを開ける手助けをしてくれるのが、この『あたらしい草花あそび』。首っぴきで草花図鑑と見比べるよりも、この本をパラパラっとめくれば……家の近所のそこかしこに草花があって、こんなふうにあそべばいいんだなってことをすーっと教えてくれるから。

前半は、空気感ただようグラビアと実際の草花をつかった工作、いや、“あそび”の数々が彩られ「触ってみたい、作ってみたい」と気持ちを盛り上げてくれる。季節ごとに紹介されたそれらはどれもが生き生きとしていて、「早く、この季節にならないかなぁ」と待ち遠しくさせる。

後半は、それらを作るための、細やかなハウツーのページに。“ぶきっちょさん”でも再現できるよう精緻なイラストで解説されていて、気楽にトライできるはず。

冬にはロウバイの実と花を、春にはたんぽぽ、夏にはアサガオ、秋にはモミジ、そして一年中出会えるベニカタバミ……と、その時々に応じて変わる草花たち。当たり前だけれども、どれもが“天然”のやさしい色合いで心が和む。

何気ない日常、地面を見たり、空を見上げたり。季節が変われば、景色も変わる。そんな移ろいを発見することが楽しくなればいいな。

『あたらしい草花あそび』(山と溪谷社)
相澤悦子 著
価格:1512円(税込)