暖炉は無理でも薪ストーブがあるじゃない!冬キャンプであこがれのストーブライフを手に入れろ

一年中キャンプがしたい人に!
ストーブがあれば冬キャンプがもっと楽しくなる

自宅に暖炉は設置できないけど、薪ストーブなら買える。ならばと、冬キャンプで、あったか薪ストライフを満喫している人が増殖中! ちょっとハードル高いかな……という人には灯油ストーブがおすすめ。一年中、キャンプに行こう!

薪ストーブは憧れの暖炉のよう

キャンプにおいての“家”はテント。移動式なので、その気になればいつでも好きなところに行ける。そのテントを“自分の家”と考えてみると、快適に暮らせるように家財道具を揃えていくのも当然のこと。

それが道具であり、あればあるほどキャンプ生活が豊かになる。「道具をこんなに持ってきてどうするの」という、家族の呆れ顔も気にしない。なぜならそれは、家だからだ。

家は“暮らす”で、テントは“過ごす”だが、どちらも同じ生活スペース。暑い夏は涼しくしたいし、冬は暖かくいたいもの。そんな、寒い時期に欠かせないのが暖房器具だ。キャンプギアで言えば、薪ストーブや灯油ストーブがそう。「冬しか使わないし……」「荷物が増える」という、家族の意見には、「何もないと寒いよ」と、冬キャンプする前提で、話をしよう。なぜならそれは、必要不可欠な家財道具だからだ。

焚き火専門店・イルビフで、焚き火トークに引き続き、3人のスペシャリストたちから「冬キャンプと薪ストーブ・灯油ストーブ事情」について、語り合ってもらった。

ガレージブランド・38exploreを主催するミヤさんは、キャンプを“壮大なおままごと”と、表現する。「衣食住すべて兼ね備えた趣味、それがキャンプだと思います。自分の理想を外に持っていける。薪ストーブがまさにそう。自宅に置けないものがフィールドでは実現できる。これがキャンプの醍醐味です」。

アウトドア空間プロデューサー、YURIEさんも薪ストーブについて、話をつなげる。「日本のキャンプシーンって、ちょっと家っぽくするのがトレンドだと思います。憧れのライフスタイルをフィールドに持ち込んでいるみたいな。すると、薪ストーブは自分のおうちにはなかなか置けないアイテムなので、それがキャンプ、フィールドで使えることには憧れがあります。ピザが焼けるとかポトフが作れるとか。楽しいですよね、ワインでディナーしたい!」。暖炉があるような生活に、思いを馳せてながら語ってくれた。

薪ストーブ関連の製品は、おしゃれなものがたくさん! キャンプ場で“映える”ギアは、見るも美しく、使うも便利なものばかり。冬はテントの中で薪ストざんまい! 焚き火とは別の意味で盛り上がる。

イルビフの店長こと、ホリケンさん曰く、薪ストーブの売れ行きは年々上がっているという。その背景にはキャンパー人口の増加があり、寒冷地でも対応できるキャンプギアの充実も冬キャンプブームを後押ししている。

「薪ストーブを始められる方は、実際に寒い思いをされた方か、もしくは憧れですね。前者は冬キャンプ経験者で、灯油ストーブ以上のパワーがほしいと、冬のハイシーズンに薪ストーブを買いにくる傾向があります。なので12月は売れます」と、冬キャンプに薪ストーブが欠かせないことを教えてくれた。

使い方さえ理解すれば、難しくないよ

導入コストは7、8万円ぐらい

ひと昔前までは、持ち運べる薪ストーブ自体がとても少なく、多くのキャンパーがホンマ製作所(新潟県)の時計型・薪ストーブを使用していた。その後、北欧製品が日本に入るようになり、さらには国内のガレージブランドが薪ストーブを開発するようになってからは、ブームが一気に加速。今では冬のキャンプ場で、バラエティー豊かな薪ストーブに出会うことができるようにまでになった。

売れ行き好調なのが、下写真の薪ストーブ。ノルウェーの『G-STOVE』で、火力の高さ・安定度はピカイチ。コンパクトなわりに空気の抜けが良く、ドラフト効果が高い。なのでとてもよく燃える。「この設計がすばらしい」と、皆がべた褒めするほど。

また、G-STOVEはオプション品による拡張性が高く、煙突を曲げる・伸ばすが容易で、薪ストーブ料理用のパーツも豊富。気になるお値段は、小さいサイズの『G-Stove HeatView 本体セット薪ストーブ』が 5万760円(税込み)で、大きなサイズ『G-Stove HeatView XL 本体セット薪ストーブ』が 6万6960円(税込み)。

この価格は決して高くはなく、むしろスタンダードよりも少し安いぐらい。薪ストーブを検討している人は、1セットでだいたい7万円から8万円くらいと覚えておこう。なお、日本製の薪ストーブの方が2〜3割ほど安いが、その差は「輸送費ですね(ホリケンさん)」と、ズバリ教えてくれた。

テントやシェルターにも、薪ストーブが設置できるものと、そうでないものがある。幕に薪ストーブ用の穴が開いているものは何もしなくてOK。穴がなくてもチャックを開けて設置すれば解決するものもある。薪ストーブを購入する前に調べておきたい。イルビフのような専門店であれば、相談にのってくれて安心だ。

「製作期間1ヵ月、予算3万円で作りました」という、ミヤさん自作の薪ストーブ。弾薬箱(アモ缶)で作成しており、ミリタリーテイストてんこ盛り。気になる人は38exploreのInstagramをチェックしてみよう!

これだけ覚えれば大丈夫!煙突の設置は“1:2”が鉄則


薪ストーブブーム! とはいえ、「薪ストーブって難しそう」というイメージを持っている人も、少なくないはず。ホリケンさんは「薪ストーブの使用は、製品そのものの仕様と、テントの仕様、両方に基づいてご利用ください」と、念を押したうえで、薪ストーブについて、取り扱いのポイントを教えてくれた。

「まず、薪ストーブで紙を燃やさないこと。紙が舞ってテントに穴があきます。これってとてもよくあるトラブルです。次に煙突の設置について。煙突は横引きと縦引きで、比率が決まっているんです。だいたいが横が1で縦が2。このバランスで煙突にドラフト効果が起きます。暖まった空気が煙突を使って逃げていく。それに酸素がぶつかって、炉の中に炎ができるのが、薪ストーブの原理です」。

この、煙突の設営が重要で、間違えると一酸化炭素中毒を引き起こすことも。火が燃えているところには、必ず一酸化炭素炭素が出る。それは薪ストーブだけでなく、石油ストーブでも同じこと。薪ストーブは炉の中で一酸化炭素が発生しており、それ自体が問題なわけではない。一酸化炭素が漏れ出すことが危ないわけで、その原因が間違った設置。煙突のメンテナンス不足など。一酸化炭素は無臭なので、一酸化炭素警報機は準備しておこう。ただし、過信は禁物。お守り程度に。

薪ストーブが暖まる仕組みには3つの要素が関係している。ひとつは対流。これは空気が暖まること。次に熱線で、直接伝わる輻射熱。あとは焚き火同様の赤外線効果。これら要素が織り成し、快適な空間を作り出してくれる……のだが、薪ストーブは暖をとるだけのものでも、薪で遊ぶだけのものでもない。

忘れてはいけないのが、「調理にとても便利!」だということ。YURIEさんはホンマ製作所のクッキングコンロを所有しており、薪ストーブ料理ついてこう語る。「女子目線ならば、絶対料理目的で薪ストーブ! 普段、家で使っているような琺瑯のスタウブとかル・クルーゼとかでも良いと思う。わざわざ料理用に火を熾さなくて済むし、その上で料理できるって、一石二鳥感があるりますよね(笑)」

薪ストーブのオプションでピザが焼けるプレートなども販売されており、「めっちゃ美味しいよ!」と、薪ストーブピザを絶賛するYURIEさん。冬キャンプに薪ストーブを導入してその上で料理したら、キャンプパパの評価が上がるかもしれない。家族への説得材料として「料理もできるよ!」は、効果的なアプローチだろう。

美しいデザインの薪ストーブがぷちブーム!

暖炉や薪ストーブと言えば、ヨーロッパ。とくに、北欧はその寒さから薪ストーブ文化が発展しており、製品も多種多様。サウナ用の薪ストーブだって存在する。写真(上)はデンマークの「オーランドキャンプストーブ」。3面ガラス張りが美しい。一方で日本もまけていない。写真(下)の「ロマンチカル(4万7千円〜)」は日本の北国、小樽の新保製作所によるもので、2019年春まで予約待ちが続くほどの人気だ。

灯油ストーブならさらに簡単!

薪ストーブよりも手軽なのが灯油ストーブ。雪国ならおなじみの暖房器具だが、キャンプ場でも人気が高い。灯油はガソリンスタンドで手に入り、値段もお手頃。薪ストーブよりもパワーが低いので、秋や初冬、春先のキャンプにオススメだ。

そんな灯油ストーブは、形状によって対流式と反射式のふたつに分かれる。空気を暖めるのが対流式で、熱線で暖まるのが反射式。前者はトヨトミや、アラジンのストーブが該当する(写真の黄色いストーブは、アラジンのポータブル ガス ストーブ。対流式だ)。対流式は空気を暖めるので、できるだけ閉ざされた室内が理想。隙間風が過度に入り込むと効力が薄れる。

発売後すぐに売り切れ、製造が間に合わないほどの人気製品となったアラジンのポータブルガスストーブ。燃料は灯油ではなく、カセットガスを使用する。

一方の反射式は、熱が向く方向を決められるので、灯油ストーブの前にいれば直接的に暖かい。とはいえ、熱線の範囲は限られているので、暖かい人と、そうではない人に分かれてしまう。ちょっと距離を置いて、みんながいる方向に向けるのがミソだ。なお、反射式はアルパカやフジカなどが該当する。

キャンパーが好む灯油ストーブが、トヨトミ・アラジン・アルパカ・フジカの4ブランドだが、武井バーナーの存在をなくしては語れない。「武井くん」の愛称で親しまれている真鍮製のバーナーで、上位モデル(写真・下はパープルストーブ501)は、他の灯油ストーブに比べて段違いに火力が高い。その分、扱いが難しく、炎上もする。手軽さよりも火力やコンパクトさで選ぶのであれば、武井くんも当然アリだ。

「武井くん」「炎上」で検索すると、動画が大量にヒットするほど。扱いは難しいが、性能は飛び抜けて高い。純粋に火力を求めるなら、武井くんだ。

灯油ストーブで頭を悩まされるのが、運搬時のケースについて。ケース付きの方が稀で、イルビフでは灯油ストーブケースを製造・販売するほど、灯油ストーブケースの需要が高まっている。とは言え、最近ではアウトドア向けの灯油ストーブが登場しつつあるので、新製品が生まれるにつれ、ケース問題も解決していくだろう。

NEW C&C.P.H とイルビフのコラボ商品(7452円・税込)。約40cmの直径、高さ50cmの灯油ストーブが入る。

取材中に見つけたエコファン。灯油ストーブの上に置くと熱風が出るサーキュレーター。石油ファンヒーターのように使える。

【パパの正しい火遊び】

不倫に浮気にパパ活に……、ワイドショーを賑わせている火遊び系ニュースなんて、正直どうでもいい。ぼくらが気になる“火遊び”は、字のごとく、焚き火や薪ストーブといった、火をいじる遊びのことだ。とはいえ、冬のキャンプ場は0度を下回ることもザラ。万全の防寒対策で臨むことが父親には求められる。最近では火遊びに特化した道具がいろいろあるし、冬キャンプならではのノウハウも知っておく必要がある。大切な家族を冷えさせないためにも、正しい火遊びについて知っておこう。

『デジモノステーション』2019年2月号より抜粋。