アメリカ発祥の車上生活「バンライフ」を日本で実践!ヘビーキャンパー夫妻が語るその醍醐味とは?【新定番・真冬の車中泊】

お洒落キャンパーがこぞって注目!
アメリカ発祥の車中泊スタイル「バンライフ」って知ってる?


車内にベッドやソファを設置し、内装をお洒落にカスタムしたバンで放浪生活を送る「バンライフ」というライフスタイルが、アメリカを中心に広がってきている。日本でも、キャンパーの間でそのスタイルが浸透しつつあり、ここではバンライフビルダーの第一人者的存在、シエルブルーのお二人に密着。真冬でも快適に車中泊をこなす秘訣とバンライフの魅力を聞いた。

【Profile】


バンライフを実践するデザイナーズユニット「シエルブルー」
キャンプ用ウッドファニチャーの制作をはじめ、イベントのプロデュース、アウトドアコーディネート、バンライフのカスタムなどを手がける夫婦デザイナーズユニット。それぞれ、「ワカ」、「アネゴ」の愛称で業界から広く慕われている。

車中泊をもっとお洒落に!
センスある人が始めている和製バンライフ

クラシックなアメ車のバンにカーサイドタープを取り付け、その中に薪ストーブをインストールするという、達人の領域に達したキャンプスタイルを実践するのは、アウトドアデザイナーズユニット「シエルブルー」の茨木一綺(ワカ)さん、美伽(アネゴ)さんご夫妻。

15年前からキャンプにハマり、最多時で年間100泊以上をこなすヘビーキャンパーであり、アウトドア業界の重鎮的存在だ。最近は仕事でのキャンプが増え、プライベートキャンプはめっきり減ったそうだが、冬の寒い時期にはテントを張らず、締め切ったカーサイドタープの中にストーブを設置して、バンの中のベッドで寝るのが最高だという。

「このスタイルにしたのは1年ちょっと前。寝袋やマットはベッドの上に常備でいいですし、キャンプ場に着いても出すモノが減ったので、とにかく撤収が楽になりました。埼玉の自宅から全国のイベントにも頻繁に出掛けますが、疲れたら楽に仮眠もできるし、内外装も自分たちのお気に入り仕様なので、旅の道中がとても楽しい時間になりました。キャンプ泊の選択肢も広がりましたね(ワカさん)」

アメリカのバンライフというと、いわゆる車上生活。家を捨て、必要なモノだけを車に詰め込んで、気ままに好きなことをしながら旅をするスタイルを指すが、シエルブルーのお二人にとってのバンライフは、あくまでも旅の手段。さしずめ、“和製バンライフ”といったところだ。

「もともと、車のメカニックをやっていたこともありますし、キャンプ用のウッドファニチャーを作ってきた経験と実績もある。2年前に野外選曲家の河合桂馬さんから『このハイエースをバンライフ風にカスタムしたい』と依頼されたのが始まりで、その後、愛車もバンライフ仕様にカスタマイズしました。そしたら、あまりの快適さと楽しさにハマってしまって(ワカさん)」

今ではバンライフビルダーとしての顔も持ち、空いた時間を見つけては愛車のカスタムを続けているという。

愛車はGMC Rally Wagon(92年式)

セルフペイントした2トーンカラーが可愛らしいGMCのRally。92年式を選んだ理由は燃費の良さ。「この年式はリッター6〜7kMは走ってくれます」とのこと。屋根には大人3人が就寝できるサイズのルーフトップテントを常設。

ボディの塗装もウッドパネルの貼り付けもすべてがハンドメイド

「バンライフは引き算が重要。車に入れられるモノは限られてくるので、本当に必要なモノに絞り込んで、内外装は自分が好きなようにカスタムすればいいんです」とワカさんが言うように、愛車ラリーには必要最低限のキャンプ用品が整理整頓されており、内外装のカスタムはすべてシエルブルーのお二人が手がけている。

自作のベッドの下には、シュラフやテントをはじめとする最低限のギアを収納。
内装は床と壁にウッドパネルを貼り付け。収納家具類はシエルブルーのアイテムを使用。

「まだまだやりたいことは盛りだくさん。天井にはウッドパネルを張った上で、ライトを取り付けたいし、後部座席はベンチにする予定。あと、冷気をシャットアウトするためにも、大きな窓には断熱材を張って、その上からウッドを被せる予定です。」

サンドとホワイトの2トーンカラーは、タカラ塗料の刷毛塗り用カーペイントを使用。刷毛とローラーを使って自分たちでペイント。

車中泊のマナーとして、就寝時のエンジン停止は必須。現状は、タープ内に設置したストーブの暖気のみでも十分に暖かいと言うが、今後はエンジンが止まっていても可動する、FFヒーターの導入も検討中とのこと。


寝床に使っているマットはEXPEDのダウンマット。厚手で非常に暖かい。

「車中泊は冬の方が断然いいです。温度調節はギアを使えばなんとでもなります。でも、夏場は最悪。クーラーをつけられないし、窓を開けっ放しにすると虫が入ってきます。ですので、我が家では夏以外のシーズンで楽しむのがメインですね」

3人のお子さんたちは、成長と共に最近は一緒にキャンプに来なくなったと言うが、お二人の夢は家族と愛犬を連れて、みんなで北海道をロングトリップすること。

「そのためには、この車だと手狭で……。フルサイズのロングがほしいですね(笑)」

シエルブルーのバンライフ、これからの進化にも注目していきたい。

カーサイドタープを張ることでリビングスペースを確保。「キャンプの時間をゆっくりと楽しめるように、、料理は基本、家で仕込んできます(アネゴさん)」とのことで、調理器具は必要最低限しか持ってこないとか。

真冬の車中泊に欠かせない!シエルブルー愛用のギア

真冬に欠かせない薪ストーブ


G-Stoveの『ヒートビューXL』を愛用。カーサイドタープをフルクローズにし、車のサイドドアを空けておくだけで、車内はポカポカに。この使い方には、メーカー関係者も「ありそうでなかった」と驚いていたとか。

寝袋もマットもダウンが必須

寝袋はナンガの封筒型ダウンシュラフ『ラバイマーバッグW600』。お互いの体温が感じられ、ファミリーにもぴったりの横幅140cmサイズ。この下には、EXPEDのダウンマットを敷いて防寒対策は完璧。

サブ暖房は武井の大容量モデル

武井バーナーは最大容量の『501A』を愛用。「武井バーナーは10年以上使っているお気に入り。『501A』はタンク容量が2.8リットルあるので、日暮れから夜中までは十分持ちます。燃料の補充をする手間が少ないのもうれしいところ」。

ウェットスーツ素材の湯たんぽ

ウェットスーツ製造メーカーが手がける、クロッツの『やわらか湯たんぽ 座ぶとんタイプ』はアネゴさんのお気に入り。「ひざ掛けとしても使えるし、寝るときは寝袋の足元に入れて使っています。保温力も抜群です」。

SOTOの保温調理器エミール

加熱したダッチオーブンを入れておくだけで美味しい煮込み料理が完成する、SOTOの『エミール』はアネゴさんの一押し。「自宅で軽く調理して、入れておくだけで完成するのですごく便利。冬は豚汁とか最高ですよ」。

【新定番!!!!!!真冬の車中泊】

実は真冬こそキャンプがおもしろい!というのは、通なキャンパーたちには割と有名な話。空気が澄んでいて、景色や夜空もキレイ、人も少ないため自然を大いに満喫でき、何より焚き火だったり食べ物の温かみを体の底から体感できるから。自慢のキャンプギアたちの性能もよりシビアに堪能できるというもの。だったら車中泊も今でしょ! というわけで、元気な大人たちが真冬だからこその、エクストリームな車中泊遊びを提案します

『デジモノステーション』2019年3月号より抜粋。