ロンドンが“食不毛の地”なんて昔の話!地中海料理店『morito』で絶対食すべき逸品とは

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morito(モリート)
地中海料理


イギリス/ロンドン
住所:32 Exmouth Market, London EC1R 4QE, England
営業時間:<ランチ>月-金: 12-4pm、土日:11am-4pm
  <ディナー>月-土:5-11pm
  電話:+44 20 7278 7007

ナスのフリット、パンコントマテはマスト。
『morito』に訪れるとロンドンが“食不毛の地”と言われた時代など忘れてしまう。

10年近く一度も来てなかったのに、昨年はなぜか3回も訪れたロンドン。来る度に以前とは随分違うなぁと思うと同時に、世の中全体がブルックリン化しているなとも思う。美味しいコーヒー、小商いの集積したマーケット、クラフトマンシップ。ブルックリンに象徴される新しいライフスタイルが世界中の都市に行き渡っている。

ブリクストンといえばかつてはジャマイカ移民の街で、リサーチに行くような場所ではなかった。要はちょっと危ない街。ここもブルックリン化の例外ではなく、今では『Pop Brixton』というコンテナで構成されたおしゃれなマーケットがある。

フードを提供する店のラインナップはハンバーガー、ピザ、ラーメンや寿司、カツカレーなどさまざま。レコードショップや日本の包丁専門店もある。駐車場の再利用のプロジェクトでできたのだが、出店者は一定時間地域へのボランティア活動が義務付けられていたり、スタートアップのサポートをしながら地域の活性化も果たす狙いがあるそうだ。

そもそもすぐ近くにある土着のアーケード商店街『Brixton Village and Market Row』にも新進の飲食店がちらほら現れていて、休日の朝など行列ができている店も少なくない。

その傍らジャマイカ移民ら近隣の住民が買い物にくる古くからのお店もあり、そのコントラストが楽しい。エスニックという言葉では簡単に片付かないくらい本気で極彩色のアニマル柄を取り揃えた生地屋なんかは、ファッション関係者でなくとも一見の価値あり。ここも自治体が能動的に改革したエリアとのこと。

いまや流行の発信地であるショウディッチ。その勢力は拡大の一途をたどり、隣のハックニーも盛り上がってきている。それを象徴するようなレストランが『morito』ではないだろうか。北アフリカ、地中海のフュージョン。店内は大きなUの字のカウンターが目を引く。手作り感のあるフレンドリーな内装に和む。聞けばオーナーの手による陶器も飾られているそう。なるほど。


ナッツやヨーグルトを巧みに使用した料理の数々は野菜が抜群に美味しく感じられる。ナスのフリット、パンコントマテはマスト。




ロンドンが食不毛の地と言われた時代などもう忘れてしまった。当然満席でウォークインは無理の人気店だけど、ここもネットで比較的容易に席が得られる。1週間前に思いついてよく週末の予約を入れる。これが普通の状態なんだと思う。日本のレストラン予約の過当競争ぶりはやはりおかしい。

さて、『morito』からいまやショウディッチのランドマーク『Ace Hotel』に向かう途中に、お土産探しに最適なグローサリーがある。その名も『The Grocery』。なかなか見ごたえのあるオーガニック系スーパー。僕は手頃な紅茶のティーバッグを仕入れたりする。スッキリした味わいで、休日の午後が豊かになる。こちらも是非チェックしてみて欲しいお店なのである。

梶原由景(かじわらよしかげ):幅広い業界にクライアントを持つクリエイティブ・コンサルティングファームLOWERCASE代表。デジタルメディア『Ring of Colour』などでオリジナルな情報を発信中。

『デジモノステーション』2019年3月号より抜粋。