戦闘力も測定できそうなスカウター型。老舗ヘルメットメーカーSHOEIが開発中の『IT-HL』はバイク用HUD普及の一手となるか。

大小さまざまなメーカーが将来的な実現を目指し、開発が進んでいるバイク用ヘッドアップディスプレイ(HUD)。これまでも試作モデルの発表やクラウドファンディングでのプロジェクトが開始されるなど、話題に事欠かないが、なかなか製品化には至っていない。

そんな未開拓の市場に名乗りを上げたのが、バイク乗りにはおなじみのヘルメットメーカーSHOEI。車載用計器製造メーカーのNSウエストと共同開発を行い、このほどヘッドアップディスプレイ内蔵フルフェイスヘルメットの試作モデル『IT-HL』を発表した。

ヘルメットのデザイン性とHUDの機能性を両立

プロジェクターとなるレンズは右目前に固定されており、スライドさせる形で簡単に収納できる。見た目はまるで「ドラゴンボール」に出てくるスカウターのようだ。

ここに表示されるのは戦闘力……ではなく、目的地までのナビゲーションだ。GPSなどの位置情報はBluetoothで連携させたスマートフォンから取得しており、スマートフォンの着信やバッテリー残量も表示できるようになっている。レンズが目の前にあることで、表示が近すぎてしまうのではないかという懸念もあるが、実際には目のおよそ200ccm先に映し出されるようなイメージになっているので、ライダーの視界を遮ることもない。

ヘッドホンやスピーカーも内蔵されており、ヘルメットを被ったままスマートフォンを介した通話や、会話音の調整なども可能。ヘルメット左側には電話の受信や切断、音量調整用のボタンが設置されている。バイク用インカムでなじみ深いボタン配置なので、操作にはすぐ慣れそうだ。

さまざまな機器を内蔵する以上帽体が大きくなりがちだが、Bluetooth受信機などはチンガードに集約され、従来のヘルメットと大差ないサイズを実現している。このあたりは、さすが老舗ヘルメットメーカーといったところ。

もっとも、一番の重量物であるバッテリーはデザインとバランスの兼ね合いで別体式になってしまっている。バンドで腕に巻き付けてしまうので、あまり取り回しは気にならないけれど、毎日使っていると付け外しに少し煩わしさを感じるかもしれない。製品化した際にどのように処理されるか気になる部分だ。

まだまだ試作段階だが、実現が待ちどおしい『IT-HL』。老舗ヘルメットメーカーと車載用ヘッドアップディスプレイ製造メーカーの強力タッグなら、必ず形にしてくれることだろう。

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